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楠の会だよりNo.244号(2022年10月)記事より 

萩の花 尾花(おばな) 葛花(くずばな) なでしこの花
をみなえし また藤袴(ふじばかま) 朝顔の花
   
                (万葉集 山上憶良)

    

★ひきこもりの着地点
さてコロナの数字を睨みながら集まりができるかどうかを気にしてきましたが、今年度も半分を過ぎ、お恥ずかしいことですが、会には今年度の事業目標があることを思い起こしました。
先日福岡の部会で、「久しぶりに親の会に来ました。そろそろ終わりにしようかなと思い、長年お世話になったのでせめて最後に皆さんにお会いしたくて」と言う方がありました。
現在の会のメンバーは長いほうで10年くらいかと思われます。そのお母様、Kさんはかれこれ20年近いメンバーでした。短い時間でのお話でしたがこういうことを言われました。「やっと親子が離れてそれぞれで生きていくことになりました。すべて息子が決めたことで私はむしろ従ったほうです。ただ生活保護を受けながらだから、皆さんの望んでおられる形ではないのですけれど」と。
やはり私たちはどんな生き方もいいと認めるつもりでいても、心の奥では自分で稼いで自活することを願っているかもしれません。しかし、実際家族も本人も先の見えない暗闇を苦行のようにさまよった末にたどり着く道筋は、誰にも予測がつきません。ともかくも親子がそれぞれ別々に生きていく見通しが立ったことこそ、親としての役目は終わったとしていいのではないでしょうか。Kさんも、残る人生をしっかり生きていこうと決意されているように思われました。それは親にとって最高の着地点ではないでしょうか。

★親と子の対話懇談会をしてみよう
まだまだ親子の会話もままならないご家族も多いのです。またある程度親子の関係が安定し、会話もできる家族もありますが、その先がなかなか進みません。いずれにしてもやはり年月がかかりすぎていないだろうかという思いが消えません。
思い起こせば、会が居場所を持っていた頃、親と本人たちとの交流がありました。また本人たちはいつの間にか自分たちでサッカーをやったり、映画鑑賞会をやったりしていました。今あの頃の人たちは、様々な形で社会にコミットしている噂をお聞きしています。ほとんどの方が少なくともひきこもることからは抜け出していると言う感触です。
親の会の近いところに当事者の居場所があると、社会へつながる壁がかなり低くなるのではないだろうかというのが、先の居場所活動から得た思いです。ただ今の親の会が居場所を持つことは不可能です。ではそれに代わって何ができるか、先日の運営委員会で話し合った一つの企画案があります。それは【親と子の対話交流の場を試みる】ことです。実の親子では話しにくいことも他人の親であれば話せるかもしれない。親世代子世代の断絶を少しでも解消して、お互いの思いに耳を傾けてみてはどうでしょう。その上で若い世代の皆さんの得意なIT技術と親たちの社会経験とをうまく利用しあって、膠着状態にある家族や当事者の役に立つことを試みていくのはどうでしょうか。
必要であれば、かつてあった当事者向け会報「わかばレター」の復活、ユーチューブを使った当事者会の立ち上げも考えられますが、差し当たっては親と子の対話懇談会からはじめてみてはと思います。今のところ以下のような日程を予定しています。この企画について各部会で話題にして、皆様のご意見をぜひお聞かせ下さい。(会報編集部)
  〇日時:12月8日(木)13:40~⒗:30 
  〇場所:あすみん
     (福岡市中央区今泉1-19-22天神クラス4階)



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< 投稿Ⅰ > 
<ピアサポーター活動報告:社会福祉士実習での体験談発表>


 2021年3月よりKHJピアサポーターの認定を受けております、当事者のKです。楠の会だよりでは本の紹介などを何度か書かせていただいておりますが、今回はピアサポーターとして自分の体験やひきこもりについて話をしてきた感想をお伝えしようと思います。
 今回私が話をしてきたのは、某所で行われた社会福祉士試験に向けての実習でした。福祉系大学の学生さんがお相手で、しっかりメモを取りながらとても意欲的に聞いておられた姿が印象に残っています。また専門的な勉強を重ね、実践にも取り組んでおられる方たちだったので、質疑応答でも実際的な内容まで踏み込んで話すことができ、おかげで、居場所に安心感が必要なことや広報の難しさなどについて、私自身も考えをより深めることができました。

 こうして実情を知る新しい世代が育ってくれているのは頼もしい思いがしますし、そうした方を一人でも増やしていく活動に携われたのはピアサポーターとして喜ばしいことです。
 その他の話題として、ひきこもりとジェンダー/セクシャリティ、多様性と共通点、「斜めの関係」および親の方と当事者との間でもピア関係を結べる可能性などについてもお話しました。読書やオンライン家族会・講演会などで学び、これは伝えておきたいなと思っていたそれらの情報を提示でき、発表内容としてもある程度満足いくものになったと思います。発表資料をまとめていく過程では、いろいろと新しい本を読んだり、前読んだ本を読み返したり、あるいはいままでの思考を振り返りつつ新しいことを考えてみたり、という作業を行いました。そうすることで、自分にとっても我が身を振り返るいい機会になりましたし、ある種の癒やしにもなったといえるかもしれません。

 とはいえ、苦しかった時期のことやいやな経験に向き合って、そのことを他の人に話すというのは、いつもながら決して楽な行為ではありません。だからこそ話している間にはテンションが上がって、その反動からか、終わったあとは気分が少なからずダウンします。
 私がひきこもるに至った背景として、自分の有能さを自己肯定感の欠落・不全を支える杖にしていたということがあります。今でもまだ、少しでもミスがあると嫌だったり、もっと褒められたい・注目されたいという欲を心の内に潜ませているところがあるようで、今回の発表ではそうしたエゴを満たしきれなかった、というのも気持ちが落ち込んだ原因のひとつだったりするかもしれません。
 ピア・サポーターの諸先輩のように、生きていこうと思えるためのエネルギーを一滴一滴ためていき()、様々なこだわり・葛藤・迷い・諦めなどなどを解消したり手放したりすることができたら、ゆくゆくは穏やかな気持ちで発表を終えられるようになるのかもしれない、などと考えております。そんな日が来ることを願って、ときには皆様の力もお借りしつつ、歩んでいけたらと思います。(当事者K)

林恭子『ひきこもりの真実』 (ちくま新書、2021年、pp. 203-5)を参照。
本書の著者はひきこもり経験者で、いまでは当事者団体である社団法人ひきこもりUX会議の代表理事を務めておられます。
女性がひきこもること特有の大変さ、当事者のニーズからずれた支援への違和感・困惑、当事者とそれ以外で見えている世界が違うことなどを、実際に経験した当事者の立場から語っており、読んでいて共感するところが多くありました。
皆様もご一読されてみてはいかがでしょうか

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★筑紫野の集い  9月 14日(水)13:30~15:30 (カミーリヤ) 参加者 7名 ( 女性6 , 男性1 )

〇先月は休みでしたので、2か月ぶりの近況報告です。お盆が入りましたので、兄弟姉妹が帰ってきて一緒に過ごした事、職場の人の言葉に落ち込んだ事、今まで頑張りすぎたので、現在は一休み中である事、等の本人の近況を聞きました。

〇「当事者自身が自分で書類の手続きに行った。今、本人が自分の意思で動いている事が嬉しい。」と話される方もいました。親は子供の体調が一番心配です。そのような中で子供に意欲が見え始め、 動いたとなれば親はどんなにうれしいことでしょう。

〇親が子供のためにと思い、あれをして、これをやってと指示することはどこの家でもよくあることだと思います。ある方が「本人は自分の考えで動いているのに、親から指示されたことをやるのは嫌だろう。自分の道を行こうとしているのに、それを否定されたら子供は希望がないのでは。90パーセントの子供への理解、後の10パーセントが世の中の声で子供と関わりたいと思う、当事者が世の中と戦う前に親と戦うのはやめたほうが良いのでは。」と言われました。確かにそうだな、初心を忘れないようにしないとと思いました。子供が外に出ていけるように、家庭内の戦いは避けたほうがよいですね。

〇役所の方にもう少し当事者たちへの理解を深めてほしいと思った出来事を話される方もいらっしゃいました。せっかく役所の方と接点が持てたのですから、彼らの力をお借りして次の段階に進めるようになってほしいのですが。

〇他の集いで聞いた心に残ったお話や、帚木蓬生さんの本「ネガティブケイパビリティ」の紹介がありました。(K )

★ 久留米の集い 9 月 16日(金)13:30~16:00 (えーるピア久留米) 参加者 5名

〇旅行の話になると盛り上がる久留米の会。今日も会の終わりは○○がいいよ、○○も行ってみたいね…etc。 というのも最近参加されるようになった大牟田のお父さんは、旅行がお好きでいろんな場所の見どころを解説していただいている。調子に乗っているとひょんなことに風向きが私にきた。私が「相棒と話をしているとすぐケンカになる」とこぼしたことや、「一週間ほど家を空けることで息子の自立を促したいと思っている」といったことで、「一泊でもやってみらんですか」と言われた。

〇戸惑っている私の頭の中に、いつもそのお父さんが口にされる“親の会に来て何か一つでも得て帰ろうと思っています”とおっしゃっている言葉が、重みを増してくるのを感じた。そしてマンネリ化している自分が見えてきた。

〇人は自分に課題を課すことで、謙虚になれるのかもと思い始めた。さあ、私は自分の宿題にどう向き合っていけるだろうか?( H )

★ 宗像の集い 9 月21日(水)13:30~16:00 (メイトム宗像) 参加者 7名 (女性 5 , 男性 2 )

① 山口朝日放送 山口宇部「ふらっとコミュニティ」関連シリーズの放送を見る。
1 58歳ひきこもり①②~40年ぶり社会復帰へ(2020年放送)  18分
2「 元ひきもこり60歳」は自治会長!(2022年放送)      8分
17歳の時、高校中退と同時にひきこもり、途中3カ月ほど働いたことはあるが、ほぼ40年間 ひきこもりをしていた国近さん。
10年前に両親が亡くなった後残された貯金で生活、5年前に何とかしなければと「ふらっとコミュニティ」の居場所に 通い始め、3年前から週3回ほどハウスクリーニングの仕事をしている。
そして今、国近さんはアパートの自治会長として活動している。

②  みんなで話し合い
・国近さんはとても素直な人だと感じた。ご両親のひきこもりへの対応がとても良かったのではないか。出来ればご両親に今の姿を見て欲しいと感じた。
・台風が来たが、ひきこもりの子どもがとても熱心に台風への備えを手伝ってくれた。ひきこもりだからと、はれものに触るような特別扱いをせずに、家族の一員として普通に付き合いたいと思う。
・普通に付き合う、そのような態度で接すると国近さんのように素直な人になるのではないか。

※ 参考:インターネットで「山口朝日放送 山根俊惠」と二つの語句で検索すれば一連の放送内容がyou tube上で見ることが出来ます。その中に上記の動画もあります。  ( A男)




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