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楠の会だよりNo.290号(2026年8月)記事より

急ぎつつ 朝は出てゆく 街角に
  咲きて久しき 百日紅の花
             古泉 千樫


講演会〔長引くひきこもり・親の対応のポイントは〕要約

梅雨明けが早くなり、気温がぐんぐん上昇してきた7月18日(土)、久しぶりに会場「あすみん」の一部屋がいっぱいになりました。「長引くひきこもり」という言葉が家族を呼び寄せる力になったのでしょうか。今回お呼びした八おき塾代表理事鳥巣正治さんと、ひきこもり相談窓口相談員樋口知恵美さんは、お二人とも当事者との関わりが大きいので、親が知りようのない当事者の心情と彼らが社会へつながる道筋がどのように運ぶのかを語っていただきました。簡単な要約をしてみます。

〔八おき塾鳥巣正治さん〕八おき塾に来る当事者が過去のトラウマに苦しみ、そこから抜け出せないでいるのを見て、当事者に促していることは、「過去のことは捨てて、生きるのに必要な情報だけにしよう。頭の中を空っぽにして目の前のことに集中していく。練習すれば発達することは多い」と話している。
そして親には、①親ができることを示す。一人暮らしをしたいのであれば「初期費用は出すから」と。②いろいろな道があることを示す。働くだけでなく学ぶこともできる。アルバイト、契約社員・正社員・大学、短期大学、予備校、専門学校、海外留学、ワーキングホリデー、フリーランス、福祉サービス(A型B型)、何歳になっても可能性は120%。そのために、社会復帰支援(就学・就労)、対話の勉強をする。そんなに難しくはない。実践すればできるようになる。

中略

一番大事な事は諦めるな!諦める原因は一人だけで頑張ること。そうしているといつになっても解決の糸口が見つからない。疲弊し不安。諦めない方法は親にコーチをつけ、一緒に頑張る。一人じゃないというのは、何をするにしても心強い。楠の会もその役目を持っている。

〔樋口知恵美さん〕家族に大事なキーワードは、『警戒することをやめる。安心することをする』。
「警戒することをやめる」は、①少し時間がかかる。②家族が本人との関わりを減らす方法であるため、変化がますます起こりにくくなる。「安心することをする」は①短い時間で効果を感じやすい。②家族が本人との関わりを増やすため、家族ができることが増える。
安心できる関係になっているかを見極める目安とは、同じ部屋に居られるようになるかどうかです。各ご家庭で「安心する話題」と、「安心する関わり」は何か、次の項目から選んで、チェックしてみてください。

後略

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<投稿1 八おき塾・相談員の方のお話を聞いて>

印象に残ったのは「子は親が変わってくれたらいい、親は子が変わってくれたらいい。」とお互いに思い続けていることが、長引く理由だと話されたことです。そして、「そうであるならば、やはり今親が変わらなければ何も変わらない」という強い決断の必要性でした。
鳥巣正治さんからの「(決断)出来ないなら、来なくていい」との発言には、真剣であるからこそ言えることだと思いました。また、「子を一人暮らしに出す」という推奨には親としてはとても一人暮らしなど考えもしないことで、その壁を乗り越えられるかを迫るお話もありました。
樋口知恵美さんからは「警戒されるようなことをやめる」ことで、「安心に思うことをする」ように切り替る必要性を具体例で説明されました。また「お花畑の話は要らない。本当にやるかやらないか。聞くだけから固い決意を以て行動してほしい」という熱い論調に、本気で考える意気込みを感じましたし、楠の会でしかできない議論だと思いました。
行政窓口ではこのような話しは公(おおやけ)の立場上、限界があり、ここまで踏み込んだ話しはできません。とても残念ではありますが、公的機関の宿命です。ですが、困った家族はまずは行政に相談するしか術(すべ)がありません。大切なのはその先です。
行政は「親が変わらなければ変わりません」などと言えない立場なので、それが言える支援団体としっかり連携し、解決していく手助けをしていく立場かと思います。
そのうえで楠の会の集まりではそれが直に出来るので、一度であきらめるのではなく、ここに何度も通って、変わる決意をする場になれば、一人でも助かる家族が出来るのではないかと感じました。
今回の講演会&相談会を継続することで、決意する親が出来ることを望みますことと、これからの行政窓口での支援団体との連携対応の在り方を模索していきたいと思いました。(行政関係・会員H)

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★筑紫野の集い 7月8日 (水)13:30~15:30 (筑紫野市生涯学習センター) 参加者5名 (女性5)

〇しばらくお休みされていた方が久しぶりに参加されました。福岡から来てくださった方もいて、にぎやかで嬉しい集いとなりました。

〇最近、息子さんとの生活が楽しくなったと報告された方がいました。これまでは息子さんから責められることが多く悩んでいらっしゃいましたが、夕飯のメニューを増やし、飲み屋さんのような雰囲気をつくって、ゆっくり会話を楽しむ時間を持つようにしたそうです。遺言書も作成されたとのこと。その後、息子さんも不満を言わなくなり、お互いに生活を楽しむ気持ちが生まれたというお話でした。

〇子ども達が好きなスポーツやK-popを一緒に見ていたら、自分(親)も好きになり、いろいろ教えてもらって会話が増えたという報告もありました。子どもが興味を持つことに親も関心を寄せ、一緒に楽しんだり話したりすることで、日常が変わることがあるのかもしれませんね。

〇「昨年、免許返納と車の廃車をしたが、やはり車が必要だと思っていた矢先、お手頃な中古車の話があり、即購入してしまった。しかし、運転を頼まなければならない息子には相談していなかった。それを怒ってか、息子は『いらない』と言う。考えてみると、これまでも息子の意見を聞かずに先回りして行動してきたことに、今さらながら気づいた」と話されました。これは私自身も反省しているところで、つい先に動いてしまう癖を改めなければと思いました。

〇「大人になってから、息子が『あのときはこうだった』と幼い頃の出来事を話し、親を責めることがある。小さかった頃は何も言わなかったが、きっとその時のもやもやを消化できていなかったのだろう。親が時機を見て、きちんと謝罪しなければならなかった」と反省されていました。

〇大きな病院に入院された方から、最近の病院事情についてのお話もありました。ここ数年で、施設や患者さん・医療スタッフの環境がとてもよくなってきているようです。

〇来月8月の集いはお休みです。(M.K)

★東部の集い 7月 18日 (土)13:30~16: 30( コミセン和白 ) 参加者2名 (女性2)

〇当日は福岡市の「あすみん」で行われた講演会と日が重なり、二人だけの集いになりました。時間がもつかなと思いましたが、それは杞憂でした。

〇何がテーマになっていたかと言えば、親の私たちが今に至るまで、どんな人間関係の中で、どんな思いをして来たかになりました。子どもの頃の父と母との関係、兄弟との関係、叔父叔母など親戚との関係、その窮屈な関係から逃げ出したかったこと、その頃テレビに写される都会へのあこがれがあり、窮屈な村を早く飛び出したかったこと、結婚生活、子育て時代のこと。 そして年齢相応の一口には言えない様々な経験を通して今がある、たくさんのことを学んだ、そんな話で時間いっぱいになりました。(S・Y)

★久留米の集い 7月 24日 (金)14:00~16: 00( えーるピア ) 参加者 4名(女性4)

〇急に暑い日が続いて出席者は4人でした。「あの人どうしてる」という話。
「以前久留米の当事者会で“一歩の会”のお世話役をしていたA君は、就労支援事業所を経て働いていると聞いたけれど今どうしているかな」
「SさんがやっておられるA型事業所、お米や野菜も作って頑張っておられて、身体は大切にしてほしいな。一度見学に行きたい」。

〇「今日は暑いね」と来た人の最初の言葉。「そういえばひきこもりの人がやるのが人と話さなくていい守衛さん。道路工事など炎天下で見張りをする仕事もしていると聞いた」と。

〇秋田県藤里町の菊池まゆみさんは、仕事をお世話してあげるというより、「人手が足りなくて困っているのよね、手伝ってくれないかな」というような誘いかけをしているという。福祉事業という感じがなくて、「町おこし」のお手伝いという誘い方をしているという話がありました。そのようなやり方で自然と息子を社会に引き込めるような偶然を巻き起こすことが出来たらなあと、それが年老いた親、私の願いです。(K)(S)

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