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楠の会だよりNo.275号(2025年5月)記事より招提寺鑑真和尚来朝の時、船中七十餘度の難をしのぎたまひ、御目のうち塩風吹入て、終に御目盲させ給ふ尊像を拜して若葉して 御目の雫 ぬぐわばや (松尾芭蕉 笈の小文) 2025年度(令和7年度)福岡「楠の会」総会報告 今年こそ何か新しい発見と、実践の年に! 連休の始まりの5月2日(金)、前夜の雨も上がり、緑輝く五月晴れのお天気になりました。事前にお願いしていた委任状が41名(うち退会申し出2名)と当日の出席者10名で2025年度の総会を始めました。まず前年度の活動報告を総会資料に沿って説明。特に昨年度は今までにない取り組みとして、当事者への働きかけを「あすみんミュージアム・創作品展示会」として開催したのは大きな企画でした。親の会の中核事業としての各支部会については、何処の集いも参加者が減少気味であり、固定化してきているとの報告は、会員の皆様も感じておられることではないかと思われます。ただ大きな経費の掛かる事業はなかったことなど、会計上の問題もなく、無事監査も共に承認していただきました。ただし繰越金の中に14名の方のKHJ会報誌「たびだち」代金が預り金となっていますが、残金1500円を返金いたします。 問題は新年度の活動案です。福岡「楠の会」の年数に並行して進んだ会員親子の高年齢化現象には、従来の会の活動方針では、この根っこの深い問題にせまる力が不足ではないかという思いがありますが、会員の皆様もあるいは同じではないでしょうか。 それに対して有効な策を今すぐに講じることもできませんが、せめて会員の皆様のお気持ちや内情をある程度把握しておくことが必要ではないかと考えて、皆様に〔アンケート〕を取らせていただく企画を提示しました。会報6月号で実施する予定ですので、どうぞご協力をよろしくお願いいたします。 ちょうどコロナ蔓延の年あたりから、ロシアのウクライナ侵攻、能登半島地震、そして2度目のトランプ氏のアメリカ大統領選出、IT事業などの技術革新など世界規模での変革と日本の少子高齢化とそれに伴う人手不足の問題がもろに表面化してきました。この時代に生きている世代は、戦後の復興期から経済成長期にいたる昭和世代の人たち、マイカーの普及と海外旅行などの生活様式が誰にでも手の届くところにある飢えを知らない世代、さらにパソコン・スマホが小さな子どもまでいきわたってきた世代の人たち。育ち方に大きな違いがある2つか3つの世代の人たちが混在して、どうやって共に生きていくべきなのか、ハタと考えさせられるこの2025年です。(後略) (記 吉村) ========================= 【総会委任状に寄せられた皆様のお声】 ・総会議案書ありがとうございます。親の会と繋がっていることをしみじみと心強く思いながら読ませていただきました。今年度もよろしくお願いします。 ・親たちが安心して人生を終えるようになりたいですね。100歳だった私の曾祖母は最後まで子どものことは親だから心配になるよと言っていましたよ。 ・「あすみんミュージアム・創作展示会」は多くの方々が参加され、大変よかったと思います。 ・お世話になります。子ども家庭庁がこのひきこもり問題の中心になるべきだと思います。子どもは小さい頃からが大事だからです。 ・お便り毎回ありがとうございます。 ・会報を読ませていただくだけとなっています。子どもは元気に働いています。正社員となり8年経ちました。 ・いつもの活動、展示会、他大変ご苦労様でした。展示会には調子を崩して残念ながら行けませんでした。これからも健康にお気をつけて活動なさってください。 ・宗像の集いではいつもビデオを準備して下さり感謝しています。今年は総会に行けず残念です。 ・いつもお世話になっています。4月3日に腰の手術をする予定なので申し訳ありませんが総会に出席できませんがよろしくお願いいたします。 ・いつもありがとうございます。その日その日のコンデイションに合わせ、ルーティーンの日常生活を前を向いて一歩一歩過ごしていければ幸いだと思っています。 ・いつも楠の会の活動ありがとうございます。会報を読ませていただいて気持ちが和みます。 ・会報いつも楽しみに読ませていただいています。ありがとうございます。 ========================= 今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。 なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。 こちらの方もご利用ください。 投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿 ========================== 福岡「楠の会」支部会だより数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。★福岡東部の集い 4月12日( 土)13:30~16:00 ( 個人宅 ) 参加者4名 (男性1、女性3)〇 チョッとしたハプニングから、会員Sさんのご厚意でご自宅の一室をお借りしての支部会となりました。殺風景な会議室とは異なり、春の香漂うお部屋での会話はいつもと違う落ち着いた雰囲気がありました。少ない出席者で、勝手知った顔ぶれだったせいか雑談に近い内容に終始しましたが、そこは家族会の集まりですから、各人の思いやりが言葉の端々にちゃんと備わっています。話し手と聴き手がお互いの家族の事を懐に秘めて、うなずきや共感するところは他の集まりでは簡単に生まれるものではありません。〇 今回は「親子の確執」と言った話題がテーマと言えるでしょうか。親と子の愛憎は血のつながりや、長年一緒に生活してきたからこそ起こるもの。双方の喜怒哀楽のずれからくる葛藤でさえ、互いを尊重しているからこそ生まれるものではないでしょうか。今日集まった方々はそれを再確認されたように思います。風情と人情共に溢れる家族会でした。 ( H. K ) ★宗像の集い 4月 16日(水)13 : 30~16 : 00 (メイトム宗像) 参加者 8名 (女性7 、男性1 )1 「パネルディスカッションより 元当事者の言葉」 約20分 視聴令和6年11月に開催された山口大学医学部社会連携講座「SDS支援システム開発講座」のパネルディスカッション動画の中から、冒頭部で元ひきこもり当事者とひきこもりのお孫さんを持つおじいさんがお話された部分のみを視聴しました。 〇 両親の介護がきっかけで離職し、さらにうつになってひきこもり始めた元当事者の話。 「支援のあり方として本人の意思を十分汲み取らない支援では本人に余計な負担を掛けてしまう。又、タイミングがあった支援も必要だ。例えば、本人が死ぬか生きるかの瀬戸際にいるときに将来の話をしても耳に入らないだろう。ひきこもりの人はやらない人ではなくやれない人だから、やれない理由を考えながら接して欲しい、自分がひきこもりの時、風呂も入らない歯も磨かない時期があった。それはそれをする気力がなく、エネルギーがなかったからだ。どんな支援が役に立つ支援なのか。ひきこもりは必ず解決できる、自分の場合は趣味を通じて気力が回復した。次に、専業主婦の妻は暗い顔つきだったけれど、働きに出るようになり笑顔で帰って来るようになり、家の中が明るくなったことも私の回復に役立ったと思う。」 〇16才の孫が中2からひきこもっているおじいさんの話は、以下の内容であった。 「色々な支援機関を訪ねたが適切な支援を受けることができなかった。今の支援機関にたどり着き、私は月1回の学習を受けながら、孫は訪問看護を受けている。訪問看護の人は孫の特性を理解し孫を認めてくれている。お陰で成長し変わっていく様子が目に見える。初対面の人に話すのが苦手な孫だったが先日は始めての祖母との対面も成功した。」 2 みんなの声 a : 我が家の子どもは就労支援に通っているが、毎年2月、3月、4月の頃は調子が悪くなる。卒業、進学、就職などの季節のせいではないかと思う。このところ就労支援にまったく行く気がないようだ。 b : 我が家は春や梅雨の頃になると攻撃的になる。最近はメールを盛んに送ってくる。答えられるものは答えるが、返事をすると怒りがエスカレートするようなものは答えないようにしている。 c : 我が家は積極的に動き出した。就労支援に行きながら、バイトもやっていたが、どちらかにしたらと言われ、今はバイトだけにしている。 d : いつまでも改善の兆しが見えないので、お寺に行って修行したらと言われることがある。 e : 我が家もお寺にいけと言われた。 f : 市役所に相談に行って、「福岡楠の会」を紹介されて初めて参加します。いろいろな話を聞かせていただき藁をもすがる思いでいますのでよろしくお願いします。身近な人もおられ心強い思いです。 (A男) ★福岡の集い 4月 22日 ( 火) 14 : 00~16 : 00 (あすみん) 参加者 5名 ( 男性2、女性3 )〇 今回も2人のお父様の存在が貴重な会でした。最初の話題は、4月11日(金)糸島市社会福祉協議会主催で池上正樹氏の講演会に出席した方からお話がありました。100人を超える参加者があり、ここ福岡県内でも中心部以外はまだまだひきこもりについては情報が行き届いていない状態ではないかと推測されます。或いはこの問題を抱えていながら、家族や支援者もどうしていいかわからないのが現状ではないかと思われます。〇 池上正樹氏は新しい社団法人を結成し、「SHIP!」という季刊誌を発刊されています。従来の形を抜け出し、新しいものに変えていく、それがひきこもり問題を少しでも進展させていく道ではないかと今更ながら思います。 〇 あるお父様は、息子に今まで抱いていた考えが変わったと言うお話をされました。かなり普通の状態には見えるのだが、どう言っても働こうとしない、どうしてなのかともどかしい思いをしていたが、最近18年間小さい時から飼っていた猫が死んだあと、彼はこの18年間の撮っていた愛猫の写真集を作って見せてくれたそうです。それを見て、息子は何もできないと思っていたがそうではない、彼はできるんだとつくづく思ったと言うお話でした。 〇 確かに2月に「あすみんミュージアム」をやってみて思ったことは、彼らはできるということを皆さんにもわかっていただけたのではないかということです。ただ対人恐怖などの事情を抱え、積極的に自分からそれを社会の中で生かそうとしていない、ということです。どこかにその糸口を見つけていくことが今後支援者をはじめ、社会全般で考えていくことが急務だと思われます。私たち親も真剣に考えていかなくてはならない課題です。 ( F・Y ) ↑楠の会ホームページトップへ |