■楠の会だより投稿文の紹介■

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 子どもの成長に<アタッチメント>が必要だった

私の次男は38歳になります。父親としての反省の一つは、子どもを自立させる対応をしていなかったことです。親は子どもに対して心配したり、あれこれ口出ししたり、頭ごなしに命令していました。それは子どもを自立とは反対の方向に向かわせていたと思います。それを反省して今では子どもにいちいち相談を持ち掛けることにしています。「こうしたいんだけれどこれでいいだろうか」等と。何度か相談を続けると、次男の顔に笑顔が、垣間見えました。そして彼から小言を言われるようになりました。
私のもう一つの反省は、アタッチメントがなかったことではないかと思います。子どもを厳しく育てることが大事だと思ってきました。先日新米ママ向けのテレビ番組で言っていたのですが、子どもに母乳をあげる時、母親はきちんと子どもの目を見ていること。公園でも目を離さずに見ていることが大事で、親が見ていてくれないと不安がる。不安そうだったらハグしてあげる、子どもを頭ごなしに叱らないできちんと聞いてあげる、そういったことが子どもの今後の人生、特に友人、恋愛、仕事仲間との付き合いなどの人との関係づくりに大きく影響するということでした。
高齢者介護の現場ではスキンシップを大事にし、手を取ったり、背中に手を当てたりしています。私がハグを息子にしたのは26歳の時でした。もっと早くこんなことを知っていたらもっと違っていたかもと思います。今思うと私たち世代は薄情な親でした。
私たちが気を付けなくてはならないことは子どもを社会に送り出すこと(親の束縛から自由にすること)であると思うのです。子育ての後の空の巣症候群が問題になっていますが、子育てが終わったあと、趣味や習い事を見つけることも大切なことではないでしょうか。そしてひきこもりの子を大人扱いにして、少しつきはなしていきたいと思っています。(K・T)