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楠の会だよりNo.273号(2025年3月)記事より沈黙の春 (Silent Spring)It was a spring without voices.On the mornings that had once throbbed with the dawn chorus of robins ,catbirds ,doves,jays,wrens,and scores of other birdvoices there was now no sound only silence lay over the fields and woods and marsh. (レイチェル カーソン・Rachel Carson著「沈黙の春」より抜粋) (鳴き声がまったくない春。かつて朝になると駒鳥、ツグミ、鳩、かけす、みそさざい、そのほかたくさんのにぎやかな小鳥のさえずりが聞こえていたのに。今野原も森も沼地もシーンとした沈黙の世界) NHKTV プロジェクトX 「人生は何度でもやり直せる・ひきこもりゼロを実現した町」 を見て ◆この2月22日(土)NHKTVプロジェクトXで秋田県藤里町社会福祉協議会の引きこもりへの取り組みのドキュメンタリー番組がありました。福岡の皆様は事務局長菊池まゆみさんをご存知の方も多いかと思います。第8回全国大会を当地で開催した時、佐賀県の谷口仁志さんと秋田県藤里町の菊池まゆみさんを講師としてお呼びしました。あの時からもう10数年の年月が流れ、菊池まゆみさんも私たちと同じように、時の流れに曝されてこられたご様子がわかりました。 タイトル「ひきこもりゼロを実現した町」というのも目を引きましたね。この問題の困難さがよくわかります。藤里町の凄さは、菊池さんも言われるように、普通の“オバサン”が、外に見えないように隠されている不思議なことに目を向け、これは人口の少ない町にとって由々しい問題だと、福祉の常識を超えた思い切った取り組みを進め、この事業を地域興しに結び付けて来られたことではないでしょうか。 「ひきこもりゼロを実現した町」になったのは、菊池さんたち社協や町民の皆さんが、対象者たちを障害者とか弱い人ではなく、常に同じ町民としてやって来られたからではないかと思います。(吉村) ========================= 福岡「楠の会 」作品展示会を終えて あすみんミュージアム ( オープンスペースでの壁面展示) 2/1(土)~2/15(土 ) 好評のうちに終了 3月号上記記事から一部分を抜き出して掲載します。 初めて開催した当会の作品展に、多彩な作品が集まりました。制作者の数としては25人からの出品で、このうち当事者9人が、自作の品をそれぞれに発表。さらに当事者にかかわる親の作品(写真など)があり、生活の中での小さなヒトコマであったものが、多くの人の目に届けられることになりました。 小規模な展示会ではありましたが、どの作品もユニークさで際立っており、来観者の胸を打ちました。 〇出展作品から一部紹介 ・私の宝物/当事者 T ---- 家にすっかりこもっていた娘さんが、グループに参加するようになって、初めて作った記念の財布 ・すずめのくーちゃんと暮らす / 久留米市 M --- 羽を傷めたスズメを拾ってきた子どもとともに、18年一緒に暮らした記録 ( 写真と文) ・読書による回復への招き / 当事者K ---- 読書についての考察から、さらに自身への理解を深めていく方法をまとめた文書作品 ・私のプロフィール / テクニカルモンキー---- 自分自身のことを多種多様・多角的に紹介し、使ったゲームも披露した文書作品 ・お母さんと妹へ / Y.Y ---- コロナ感染症の初期、マスク不足の頃に息子さんが作ってくれたマスク。母親からの出展(現物) ・我が家のパテシエさん / M.Y ---- ケーキ作りが大好きな娘さんが作った色とりどりの大量のパーティ・ケーキ。母親の記録写真 ・わが家で生まれた猫一家 / ねこもりマイスター ---- 母猫とその乳をのむ無心な子猫たちの平穏なひと時をとらえた紙粘土の塑像 ・家族 / あやお ---- 周りで暮らすペットたちの、様々な表情をとらえたコレクションから、見て楽しめる「変顔」を選んで出品(写真) ・イラスト / 青信号・ 藍・ レバン ---- 3人の当事者 から出展された、デジタル技術で描いたイラスト各種。今の時代を感じさせる三人三様の作品は、これからの展開が期待される。 ========================= 今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。 なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。 こちらの方もご利用ください。 投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿 ========================== 福岡「楠の会」支部会だより数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。★福岡の集い 2月11日(火/祝) 14 : 00~16 : 00 (あすみん) 参加者20名 (男性5、女性15 )「 あすみんミュージアム」での家族交流会として実施2月という寒さの中での交流会でしたが、作品展示会の会期中のため、久しぶりに20名の参加となりました。東西南北もスケールが広がり、初めての参加者から久ぶりにお見えになられた方まで、溢れた顔ぶれに話も盛り上がりました。終わってみれば、出席者の殆どが自らの切なる思いを声に出されていたと感じました。 ミュージアム開催という雰囲気がそうさせたのでしょうか。出席者の皆さんの立ち位置はそれぞれ違い、お子さんの性別、年齢、ひきこもりの契機、状態もバラバラですが、されど親の子どもへの思いは区別できるものではない。皆さんのお話には、涙があり、ふとした安らぎがあり、憂いも顔を見せます。しかし聴く側には、一人一人のどの方からも温かみが深く感じられたのです。 終了後、帰り支度をされる後ろ姿を眺めていると感謝の気持ちと共に「お父さん、お母さん頑張って!」と無言のエールを送っていました。充実した時間を過ごさせていただきました。 (H・K) ★福岡東部の集い 2月 15日 (土)13 : 30~16 : 00 (コミセンわじろ) 参加者 3名 ( 女性3 )〇 遅れて来られる方を期待しながらではありましたが、3人だけの集いになりました。それでも、いろいろお話ができて楽しいひと時となり、ありがたいことでした。〇 初めて集いに来られた方は、子どもがひきこもりであることを他人には知られたくないという思いの方もいらっしゃるので、安心していただけるように配慮しながら進めていきたい。親として嫌な思いをして帰られたために、当事者への救いへと繋がらない不幸は避けていきたい。 〇 Aさん // 知人から誘われ公民館でのお年寄り向けの集いに出向いて、お弁当などのお接待やお世話を受けた時、居心地の悪さを感じた。自分は小学生の登下校の交通の見守りをして声掛けをしたり、人のお世話をするボランテイアの方が気持ちが良い、役割を持って生きていくことが幸福感が持てると気が付いた。 〇 Bさん// 以前は追っかけなどいいとは思わなかったが、日々の大変なこともある暮らしの中で、好きな歌手のコンサートを楽しみに、お金と時間を使っていくのも、人それぞれの生き方でいいと思えるようになった。 〇 Cさん// 当事者から、幼少期の親からの愛情不足や関わりの不平不満を吐かれたら、謝罪する、これから一緒に外食したり遊びに行ったり、今までの埋め合わせをするつもりだ。 〇「集い」でのやりとりが、参加した本人にエネルギーがたまるきっかけとなっていったらいいね、などと勝手気ままな話をしているうちに時間が経ちました。 ( S. Y ) ★宗像の集い 2月 19日(水)13 : 30~16 : 00 (メイトム宗像) 参加者 7名 (女性6、男性1 )1.豊田章男が先生に!? とある高校生たちに贈る特別授業 35分 視聴(トヨタイズム動画)FC今治高校里山高の学園長は元サッカー指導者の岡田武史さん。教育の目標は、予測不能な世界を、自分たちの力で生き抜き、科学技術や知識だけに頼るのではなく、多様な人とつながる共助のコミュニティを創ることにより、自然と共生し人類の未来を切り拓いていけるリーダーを育てることにあります。学びとは、日々の試行錯誤の中に起こるさまざまな事象に応答し、経験を心身に蓄えること。そんな結果の中に自分なりの規則や意味を見出すこと。FC今治高校では、エラー&ラーンを学びの姿勢としています。そんな教育理念に共感した、トヨタ自動車の豊田会長が特別授業を行いました。 講義の質疑応答は次のようなものでした。 Q : 経営において大事なことはなんですか。 A : 愛だと思う。誰かを笑顔にする、そして自分も笑顔になることだと思う。 Q : ピンチに対処する方法はなんですか。 A : ピンチの対象から遠ざかるのではなく、対象に向かって近づくこと真っ向から立ち向かう事が一番安全で確実なやり方だと思う。これはホッケーの攻撃ボールに対応する防御の姿勢から学んだことだ。又、努力しても結果が出ないことが多かったが、結果が出なくても経験は残る。経験をまとめれば道が見えてくる。 2. みんなの声 a:普段は時々料理を作る娘が、私の誕生日に料理を作ってくれると言い好きな料理を聞いてきました。そしてケーキも買ってきてくれました。引きこもって20年、始めての出来事だったので本当に嬉しくなり、「ありがとう」とお礼を言いました。そしたら娘も「いつもありがとう」と返してくれました。嬉しい出来事でした。 また、訪問看護の方が異動でこれなくなると言うことで、娘がお礼の言葉を文章にまとめておきたいとラインで文章を送ってきました。これまでの経過やその時々の対応で娘が謝りたい事などを順序立てて綺麗にまとめていました。こんなことを考えていたのだと改めて知ることができました。 b :2月から作業所に通い始めました。ウイークデーは毎日通っています。帰ってくると疲れたとはいっていますが、休まず通っています。 c:我が家では、子どもが生活の目標を壁に書いて張っています。のんびり屋の子どもですが、このままではいけないと考えているのだと思います。 (A男) ↑楠の会ホームページトップへ |