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楠の会だよりNo.281号(2025年11月)記事より

金色(こんじき)の 小さき鳥の 形(かたち)して 銀杏散るなり 夕日の丘に(与謝野晶子)



親の死後を生きる「ひきこもり中年」の課題
~週刊誌SPA〔ひきこもり中年の苦闘〕を読んで~

内閣府の2022年度の調査によれば、40歳~60歳中高年ひきこもりは推計約85万人。年間で24万人増加と発表されました。戦後人口が増え、小中学校が増設された時代とそれに続き就職氷河期を経験した世代がこの年代になります。この世代に迫っているのが親子の高齢化、つまり親が亡くなる事例が注目されるようになってきました。
最近、週刊誌「SPA」10月28日号をある支援者から紹介されました。表紙には「親の死後を生きるひきこもり中年の苦闘」と、大きな目立つ見出しで4ページほどの特集記事が組まれていました。読んでみて、長期に社会と断絶しているとどのような心理状態に追い込まれるかがわかりました。
担当記者は“働けずに社会から離れたまま年を重ねたひきこもり達に、今「親の死」という現実が迫っている。ひきこもり状態を金銭面で支えてきた親の死後、彼らはどんな現実に直面するのか?”というテーマを設定。それに沿って、親亡き後ひきこもり者がどのような暮らしをしているか、その人たちの生活状況と心境を取材し、その上で私たちがよく知っている専門家の見解も添えられています。皆様にもご紹介したくて取り上げてみました。

以下、次のような項目で報告は続きますが、このホームページでは項目のみの掲載に省略させていただきます。内容をお知りになりたい時は楠の会だより281号をご参照ください。

〇親の死後どのような生活をしていくだろうか
〇親亡き後に備えて、何をどうしたらいいのか・専門家の提言


最後に、次のような言葉で報告は終わります。

※生きると言うことにこれほど困難を抱えているとは、普通に生活をしている人たちにはわかりづらいことでしょう。今後も社会から逃避する人たちは、強固なひきこもりだけではなくその境界にいる人たちが増えることも予想され、減少することはないと思われます。行政への提言である「スペシャリスト」の養成はぜひぜひ実現すべきことだと思います。また、親の死や介護というこれまでの保護が無くなった時、当事者が動きだすというのは、思いのほかの希望のともしびです。最後に「ふらっとコミュニテイ」の支援を受け、再出発した国近斉さん(63歳)の言葉をご紹介します。

底辺でもいいから社会と繋がっていたい。
いいことがあってもなくても、穏やかに過ごせればいいかな

(国近斉さんは40年間引きこもり、現在職場を選びながら就労されている。)



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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★宗像の集い  10 月 15 日 (水) 13 : 30~16 : 00 ( メイトム宗像 ) 参加者 8名  ( 女性 6 、 男性 2 )

1  厚生労働省ひきこもり全国キャラバン 2025 in神奈川 より
第1部の宮本亜門さんによる人生ドラマグラフワークショップ部分の前半部 45分視聴

まず、あの宮本亜門さんがひきこもり経験者であったことに驚きました。宮本亜門さんご自身の人生を、折れ線グラフ化した図を使いながら、ご自身の人生の浮き沈みを語られて、その中でどのような状況だったのか、そしてその時どんな気持ちだったのか、人生を振り返りながらご説明されていました。
自分の人生をドラマグラフ化することで、客観的に振り返ることができるんだなぁ…と思いました。忙しい日常のなかで、自分のことを考えることをそっちのけにして、目の前のことだけに右往左往しているような私ですが、そんな私が自分自身を客観的に振り返ることによって、今の現実にももう少し冷静に余裕を持って向き合えるのかもしれないとも思いました。
宮本亜門さんだけではなく、ワークショップに参加されたひきこもり当事者の方々の人生ドラマグラフも紹介されていて、以前この「宗像の集い」で視聴させていただいた番組に出演されていたひきこもり当事者の方のドラマグラフも紹介されていました。ひきこもり当事者の方々が、ご自身の人生を振り返って私たちに伝えてくださっているひきこもり当事者のその時の気持ちは、今、我が子が抱えている気持ちと近いのかもしれない…と思いながら視聴していました。
もし、我が子がこのような人生ドラマグラフを自分自身で書けるような時が来たら…その時、どんなことを語り合えるのか怖いような気もしますが、いつかそんな日が来ることを信じて、見守っていけたらと思います。

2 集いに参加しての感想

いつも視聴の感想や、みなさんの近況などを聞きながら、私は勉強させてもらっています。私は4月からこの「宗像の集い」に参加させていただいていて、少しずつ我が子への接し方が変わってきたと思います。
以前は、「普通」を求めるあまり、我が子の苦しみを理解しようと努力することがなかったような気がします。「がんばれ、がんばれ、やればできる」 「やらないとできないよ」 「もう子供じゃないんだよ」 と、親として当然だと思って追い詰めていたような気がします。
ここへ来るようになって、当事者の気持ち、苦しみ、本当はどう接してほしいのか、語ってくれる映像を視聴させてもらったり、親としてのみなさんの経験や近況などを聞かせてもらって、反省したり、ヒントをもらったりすることで、私自身が落ち着いて、それが我が子との接し方に良い影響をもたらしていると感じます。これからもみなさんの力をお借りしながら、少しずつ前に進んでいけたらと思っています。(報告者:I)

★福岡の集い  10月 16 日 ( 木) 14 : 00~16:00  ( あすみん ) 参加者 4 名 ( 男性 1、 女性 3 )

〇 少し暑さが和らいだ今回はいつものメンバーが揃いました。そのためか会のテーマではなく、暑さのためお互いに体調を気遣い、持病をどのようにやりくりして過ごしているかを各自が話してくださり、聞かせて頂く方も安心感を頂いたり、同じ思いを確かめ合ったりしました。

〇 もう一つの話題は、日頃どんなことをして楽しんでいるかを誰ともなく話し始めていました。
書道の段持ちの方もあり、どんな道具を使っているかとか細かに質疑応答も楽しそうで聞き入りました。皆さんが日頃どんな楽しみをもって過ごしているかは大変重要なテーマだと思います。親が日頃明るい顔を息子・娘に見せているかどうか、彼らに元気や安定感を与えているかどうかにかかっています。親の暗い不安な表情は不安感と焦りに繋がります。その意味でいい集いだったと思います。 ( F・Y )

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