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楠の会だよりNo.280号(2025年10月)記事より

山上臣憶良の秋の野の花を詠みし歌2首  (万葉集)

秋の野に 咲きたる花を 指折(およびおり)かき数ふれば 七種(ななくさ)の花

萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝顔の花



「私たちが生きてきた過去と現在と未来」雑感

先月号で戦後80年という日本国の大きな節目について考えてきましたが、このような過ぎ去った過去を辿るのは、とかく親は先ばかり心配してとりこし苦労をしがちですから、心を落ち着け、余裕を持って考える契機になるのではないかと思っています。取り上げたことは社会問題でもありますが、私たち自身の問題でもあります。この際私たち自身の過去を振り返ってみる機会を持ってみるのもいいのではないでしょうか。
急速な経済成長期に子育て時代を過ごした親世代。私たちは過去から十分学習しているでしょうか。未だに受験戦争は過熱状態。そして社会に出た若者たちがうつ病など挫折する人も減少しているとは聞きません。むしろ結婚しない人が増加し、少子化が進んでいます。それは何を意味しているのでしょうか。政治家はこの現象に目を向けているでしょうか。相変わらず国民目線より党利党略を優先することしか考えていない政治家に期待できるのか。それは政治家がよき国民に選ばれているかどうかにもかかっています。そうするとやはり教育はとても大事です。教育を大事にしようと考えている政治家が今回の選挙で選ばれるかどうか、おそらくまだその時期ではないような気がします。
もう一つ私たち自身が考えなければならないことがあります。今世界中で進行していることは都市化ではないでしょうか。都市化は、人間が地球という宇宙の中の星の一つに生かされている生物の一種ということを忘れさせてしまう場所です。
私たちが戦後せき立てられるように突き進んだ都市化、清潔で壮大な人工物に取り囲まれた生活をこのまま続けていていいものでしょうか。心を和やかにする古きよき伝統、地方でまだ残っている地縁血縁の温かな人間関係など、もう一度日本の良さ、美しさを見直し、本当に心が落ち着く生活を、親が社会に繋がりにくい子どもに言い残していけないものでしょうか。
このような中で私たち親の会が一番心がけていること、それは親が支援者(社会)との接点を持つことです。支部会でやっているミーテイングは、昔のような地縁血縁のコミュニテイがなくなった代わりの役目を担っています。(吉村)

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<投稿 ジャーナリングをしてみませんか?>

西日本新聞朝刊9月9日付『比呂美の万事OK』に共感したので、ご紹介します。
タイトルは「息子が仕事を辞めてもう50代に」。
20年余り働かないまま50代になった息子さんから、「生まれてこなければよかった」という言葉を聞いて、心が痛み責任の重さを感じているという80代母親からの相談に対する、詩人の伊藤比呂美さんのアドバイスです。
「息子はあなたとは違う人間。あなた達が親心からこうあれかしと思う道に息子は進んでいかないけど、違う人間なんだからそれでよし。
あなたは息子さんとは時々談笑することができ、ご飯を作ってくれて助かると思っている。将来は心配だけど、数年後や十数年後のことなんか考えず、あなたはただ今だけ、せいぜい今日から3日間くらいのことだけ考えて生きる。息子は息子なりによくやっている。母の気持ちは息子に絶対に伝わる。」
私も親の姿勢として、どうある事がいいのだろうとずっと考えていました。昔話大学主催の小澤俊夫先生から、親が自分で熱中するものをもつことが、子どもにとってもいいことだと教わりました。私はどうしたらいいのか紙に書き出してみました。
「私は息子と気軽に話し合える関係でいたい。その為には自分の心が満たされていることが大事。気分が上がっていれば、不必要な心配や不安を感じることが減り、いい循環になる。」
人間の思考はほぼ毎日同じことを繰り返しているそうです。前におきたネガティブなことを何回も思い出して自分を責めたり、本当にそうなるかわからない未来の心配までしたり。ネガティブ思考をなるべく外す為に、自分が夢中になれる事を見つけて、自分を大切にすることも大事なのではないか。
私は今、自分のこれまでの人生から得た気づき、学びなどをSNSで発信し始めたところです。
紙に自分の思いを書き出すことを"ジャーナリング"というのだそうですが、やってみると自分の様々な感情が浮かび上がってきてびっくりします。潜在意識というものでしょうか?そんな埋もれていた自分の感情に気づく発見ができます。うまく書くのではなく、頭に浮かんだ事なんでもOK!是非ジャーナリングをやってみませんか?
皆様色々な状況があると思いますが、誰も皆現状打破をねがっていると想像します。
私は、私が元気でいると息子が嬉しそうなので、なるようになると信じて活動しています。皆さんにも元気を取り戻してほしい、たまには悩みから解放される時間を設けてほしいと思って書きました。 (byひまわり)

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★筑紫野の集い  9月 10日 (水) 13 : 30~15 : 30 ( 筑紫野市 生涯学習センター ) 参加者6 名 ( 女性 6 )

先月は休みだったので、2か月間の様子を話しました。
〇 Aさんは「親は子供の精神面を心配しがちだが、体の事をもっと気にかけてやらないといけないと思った」と、体験を話されました。
また、楠の会でも発達障害の勉強会を実施しましたが、「自分の子供ももっと早い時期に発達障害に気付いてやれていたら、二次障害にならなくてよかったのではないか。同じ兄弟姉妹なのに、この子はなぜ遅刻や忘れ物が多いのかと思っていた。しかし、子供が小さい頃は発達障害という言葉さえ無かった。」 と言われました。同年代の子を持つ親として、同じ気持ちで聞いていました。
そして、県では、今年度から運動機能や心理・情緒の発達期にある5歳児健診(モデル実施)を開始し、健やかな育ちの支援に繋げていくとの朗報を紹介されました。
ある方は、「人は誰でも多かれ少なかれ発達障害の要素を持っています。それによって、今、生活するのに困るか困らないかが大事です」と話されました。

〇 Bさんは、「子供は日常生活の中で小さい喜びを見つけられないでいます。ソレができると、生活の楽しみができるので、その辺を一つの目標にしています。」と話されました。また、強い父親と本人との関係についても語られ、「大事に育てたつもりだけど、本人は父親の強さをかなり負担に感じていたようだ」と言われました。
どちらのご家庭でも、子供の事を思って一生懸命に子育てしてきたはずです。私も、子供の気持ちをもっと尊重して育てなければならなかったという反省があります。

〇 Cさんは、Bさんの話を聞いて、子供さんが今、喜びを感じてやっているという、ネットでの販売について紹介されました。買い手の関心を高めるように、売りたい品の写真を撮ることから工夫しており、そんなことが面白いようだとのこと。

〇 Dさんは、子にとって親とは違う、おじ・おばとの関係について、その違いを体験した報告をされました。「親の心の中には、子にはこうしてほしいという思いがあり、親はそれを押し付ける気はなくても、子はいろんな場面で説教や押し付けとして感じとってしまう。親のそんな思い入れが、おじ・おばには無い。この夏、本人は久しぶりにおじさんに会って話す機会があり、居心地が何とも良さそうで、親に見せる顔の表情と全く違っていた」とのこと。
クッションになるおじさん、おばさんの存在は有難いですね。( M .K )

★福岡東部の集い  9 月 13日 (土) 13 : 30~16 : 00 ( コミセンわじろ ) 参加者6 名 ( 女性 6 )

8月はお休みでしたので、3ヶ月ぶりの集いとなりました。体調が悪く退会されてあった方が、思いがけず参加されて、とても嬉しく感じました。一人でいると、やっぱり寂しいと言われてました。

○ 息子に、支援先の情報を伝えても反応がなかったことを話した時、相談員の方から、もっと、緊迫感を持って、しっかり勧めるべきだったと言われたとのお話しがありました。それでも、息子さんに情報を提案できただけでも良かったのではと思いました。

○ 息子から、幼少期の母親の対応の不平不満をぶつけられると、きついが、「お母さんが、これから、楽しい事や嬉しい事を話してくれたら、自分でも、将来、いい事があるかもしれないと希望が持てる」 と言われたけれど、自分は楽しめないといわれたことで、道端の草花を花瓶にいけたり、月がきれいとか、何気ない感動を言葉で表現されるだけでもいいのではと、いろいろ意見が出ました。

〇当事者が一番気にしている将来の事を言うと、心を閉ざされるので、その事に触れずに、親が趣味などで、活き活き楽しくしている方が、だんだん心を開いてくれる。「寄り添っていこうとする気持ちの方が、通じていく」と、自分の体験から、お話してくれました。

○ あるお母さんは、新聞の切り抜きを持って来られて、8050問題関連の悩み相談のその回答の言葉に救われたと紹介されました。 (以下はその一部抜粋)
「将来は心配だけど心を鬼にして考えず、ただ今だけ、せいぜい今日から3日間くらいのことだけ考え生きる。子どもと喋って楽しい、子どもなりに、よくやっていると思えたら、しめたもので、その気持ちが息子に伝わる」
家庭では先ず親が子どもを肯定する事で、子ども自身の肯定感となり、それが、今できる親の最善なのかなぁと思いました。( S・Y )

★久留米の集い  9 月 26日 (金) 14 : 30~16 : 00 (えーるピア久留米 ) 参加者 6名 ( 女性6 )

〇 久しぶりにB型作業所を運営されているTさんが参加されました。両親が亡くなられた後のひきこもり当事者のことを数件話してくださいました。そしてどこかに相談に行き、つながりを維持していれば必ず支援者があとを引き受けて、当事者が生きて行けるようにすると言うお話は安心しました。
Tさんのお話では、親が何とかしようと思っても子どもを変えることはできない。自分が変わることだと思い、息子さんを笑わせようとしたということ。息子さんはタイなどに留学され、日本を離れて見て、日本がきちんとし過ぎている、国外はもっと適当に自由にできていると言い、今の生活に満足しているということでした。

〇 ある息子さんは犬の散歩やウオーキングをしているが、親とは会話がないという。 あまり気にせず、親は親のしたいことをしていくほうがいいかもしれない。気にしていると却って遠ざけられるかもというアドバイスも。

〇 我が家では息子と会話はあり、家のこと、買い物などやってくれます。 でも動こうとはしないので、今のままでは生活保護になってしまうよと言いたい気持ちは いつもあります。
今日のお話で、最近はどんな状況でも支援をしてくださるところが増えてきているということ。私がそこに繋がってみようと、そうすれば心配ばかりしなくてもいいのかなと思いました。  ( K・M )



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