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■楠の会だより投稿文の紹介■
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ひきこもり(兄)の妹として
5歳上の兄は今年44歳です。高校中退したころからひきこもるようになりました。妹の私は小さい頃から兄と一緒に遊んだ記憶があまりなく、大人になった今も会話することは殆どありません。
長い年月の間には、父の死や家の引っ越し、母の入院、親戚の農家の手伝いをするなど外の世界とつながるきっかけとなるような出来事もあったように思いますが、未だ根本的な解決には至っていません。
兄妹でありながら兄が毎日何を考えて過ごしているのかわからない状態です。一緒に暮らす母も、兄の言動の意味や心の内を理解しようと歩み寄っていますが、会話の少ない状態では本人の気持ちもわからず、年を追うごとに家族みんな疲弊しているように感じます。
ひきこもりの兄弟を持つ人の将来の問題や対策を記した『きょうだいリスク』(朝日新書)と言う本を最近読み、親が生きているうちに兄弟関係を結び直すことが将来の不安解消の第1歩だと書いてありました。コミュニケーションの不足は誤解や偏見を生み、相手を責めてしまう気持ちを引き起こしてしまいます。コミュニケーションのない今の状態から、穏やかな会話ができるくらいの兄弟関係、親子関係になることを願っています。そして少しでも兄の気持ちを理解したいと思います。なかなか急には難しいですが、まずは軽い挨拶から、少しずつ兄との信頼関係を構築していけたらと思います。(N・K)
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