■楠の会だより投稿文の紹介■

11月の投稿文紹介は、10月投稿文をそのまま残しています。

< 投稿Ⅱ >
< 息子が美容院に行った話 >
 

「月に一度、美容院で髪を綺麗にしてもらうと、自分が人間なんだ~!て思うんよ」 と、息子が数年前にポツリと私に呟いた事が忘れられません。

不登校になってからしばらくは、何も話さないし、昼夜逆転、風呂にもなかなか入らず、この先どうなってしまうのだろうと不安でたまらなかったあの日々。
何も話してくれなかったのに、どうしたことか、私と娘が行っていた美容院の担当の美容師さんがとても優しくていい感じの人で、髪型も相談しながらとても素敵に仕上げてくれる話をしていて、ふと息子に「あなたもそこに行ってみれば?イケメンに大変身できるかもよ?」と言うと、「行ってみようかな?」と返事をくれて、驚きました。
しかし、行くと決めたものの、予約を入れて美容院に行く当日は吐き気に襲われて、初めて行く場所に緊張が激しく、しばらくの間は私か娘と同行でないと美容院の中に入れませんでした。

一年後ようやく一人で入店できるようになりました。その頃、冒頭の話をしてくれました。
何故そのように思うの?と尋ねると、「一人で部屋にこもって家族としか話さない自分、それって動物と同じだと思う。巣穴の中で自分の家族だけと過ごしてご飯食べて寝て起きるだけ。だけど、美容院に行って相談しながら髪型を決めて雑談をしていると自分は人間に戻れた、って感じるんだ」

それほどまでに人が恋しいなら、勇気を出してあと一歩前進して欲しいと願う親心。

不登校開始から数えると8年経過、21歳、あと一押しなのか、まだまだ時間が掛かるのか、分かりません。手を変え品を変え、息子の興味あるモノ・事を見つけてみたいと思います。(O)