■楠の会だより投稿文の紹介■

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「なぜ人はひきこもりになるのか
   ~『会話」ではなく『対話』という考え方~」

楠の会だより3月号で山根先生講演会の報告がありました。 その報告はオープンダイアローグという精神疾患ケアの手法についてふれておられました。
それに関連した動画「なぜ人はひきこもりになるのか~「会話」ではなく「対話」という考え方~」という、斉藤環先生の動画を視聴しましたのでご紹介します。
先生は、不登校の原因や対処方法、不登校とひきこもりの関係などを述べられた後、ひきこもりについて話されます。
ひきこもりとはどういう状態のことを言うのか、ひきこもりの本人は楽しい楽園にいるのか、ひきこもりの特徴とは、何故長引くのか、ひきこもりの出口とは、家族の基本的心構え、ひきこもりと対話、対話による回復とはなどについて話されます。ここでいう対話はオープンダイアローグの考え方を元にした対話の方法を述べておられます。
動画の内容すべてがひきこもり家族に役立つ内容だと思いますが、私にとって新しい見方を与えて頂いたと思うことがありました。それは、次のようなくだり(条)です。
〇「子どもを元気にする、それが〔対話〕によってです」
【この場合は、まず第一に再登校をゴールにしない。これが大事なところです。ひきこもりにおいて就労をゴールにしてはいけないのと同じ理由で、不登校のことに対しては再登校をゴールにしてはいけないっていうことをまずご理解いただきたいと思います。どこを目指すかと言ったら、どうすればこの子が家の中で元気になるかと。これを目指していただきたい。これで十分です。それ難しいわけですよね。それでやるのが対話なんですけど、対話については後半少し時間かけてふれますので、ここではさらっとしておきます。ひとまず再登校をゴールとして押し付けてはいけないというね、当たり前のことです。 関係性が、つまり、親子でも、教師と生徒でも信頼関係がある程度醸成されてきた場合は、登校支援は絶対禁忌ではありません。状況によってはやっていい場合もある。というかそれがきっかけでリカバリーする事もあり得ますので、絶対駄目ってことないんですが、常に重要なことは、当事者との信頼関係です。 信頼関係がない人が言う正しいことは、当事者にとっては抑圧にしかならないという心理をぜひ知っておいていただきたいと思います。大事なことは、その言葉が正しいかどうかよりも、まず基本となる信頼関係のあるかどうかなんですよね。これがない時に言われた言葉ってのは、ほとんど力を持たないか、もしくは正しければ正しいほど、抑圧になってしまうかのいずれかですので、まず関係性を構築するということ、正しいかどうか以上に正しいことは、良好な関係があるかどうかということを考えていただきたいと思います。】
ずっと前に読んだ本でも、“就労刺激は与えない、こどものありのままの姿を認めましょうと書いてありました。同じ本の別の場所では、ひきこもっていても、働いていても、人生の価値は同じだと思っています。しかし、その一方で、家の中にひきこもっているよりも外に出たほうが、世界は広がり、より豊かな経験をすることができるとも思っています。なぜなら、人間とは社会とのつながりに対する欲求をもつ生き物だからです”と書いてありました。ありのままを認めるひきこもりの状態から、社会復帰刺激をしないで社会に繋がる状態にもっていくにはどうすれば良いのか、私は長年、悩み続けてきました。
それが先のくだり(条)で解決しました。親と子の信頼性を取り戻すこと、何でも話せるようになること、そのためには、対話の方法で信頼性を取り戻すことだと、いうことでした。まだまだ我が家ではなんでも話せる状態ではありませんが、信頼性を取り戻す対話の努力を続けたいと思っているところです。
〇インターネットでの見方
なお、インターネットで、なぜ人はひきこもりになるのか~「会話」ではなく「対話」という考え方~、で検索すれば、多摩市公式チャンネルのものを見ることが出来ます。内容は全て字幕で表示されますので、理解もしやすいと思います。3年前のものですが、とても役立つ動画だと思います。(A男)