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楠の会だよりNo.251号(2023年5月)記事よりチャンスは 準備された心にのみ 降り立つChance favors the prepared mind ルイ・パスツール(仏・細菌学者) 近頃テレビで2,3回程聞いた言葉です。 もともと本の中で出会った言葉ですが、<チャンスは準備された心にのみ降り立つ>とは、例えば研究者であれば、何か大きな発見をした場合に、偶然発見したと言われることがありますが、その陰には必ず無駄にも見える努力の跡があるのだ、と言うことのようです。 ステイーブ・ジョブス(アップル社創業者)が学生たちを鼓舞する演説をしました。 その時に発した言葉が、コネクテイング・ザ・ドッツ。その意味は、あるドッツ(点)と別のドッツがつながること。 点と点がどのような時にどのようにつながるのか、事前にそれを見通すことはできない。 後になってから初めて、それが意外な線で結ばれることがわかる。それが大きな達成、意外な発見をもたらすことになるということを語りました。 「君たちは、直観、運命、人生、カルマ、その他なんでもいいから、いつか点と点がつながることを信じて進む以外にないんだ」、というスピーチをして万雷の拍手に包まれたと言います。 このスピーチを聞いた福岡伸一先生(「動的平衡3」著者)は、もう一つの名言を思い出したそうです。 それはルイ・パスツールが語ったとされる上記の言葉だと言われます。 どのドットとドットが結びつくかわからない。しかし一見無関係に見えるある点とある点の間に線を引くことができるのは、そこに準備された心があるからなのだ、と。 時にはもうやめたいと弱音を吐きます。 いい結果が出るわけではないと投げ出したくなりますが、私たちの一見無駄に見える日々の試行錯誤も経年により何かに結びつく、と信じていかなくてはならないのだ。 くじけそうになった時こそ仲間に会おう、そのための親の集いだった、と改めて気を引き締めました。 2023年度福岡「楠の会」総会報告 2023年5月5日(金)は子どもの日。昨日で博多どんたくは終わりましたが、コロナが終息して連休を謳歌するように、天神の通りはいっぱいの人でした。 ほぼ定刻の13時30分より、2023年度福岡「楠の会」総会を福岡市ボランテイア交流センター「あすみん」にて行いました。 当日の出席者数19名に委任状提出者35名を加えて、計54名の参加者のもと、司会者と代表代行の挨拶、総会司会者と書記が選出され、議事に従って進行しました。冒頭に事務局吉村さんの方から、現代表の甲木敏光さん(当日欠席)の退任が報告されました。 今年度年会費は4,000円、非会員の集い参加費は400円の据え置きが提案されました。昨年の会計状況から、値上げも止むなしとの意見もありましたが、昨年からの値上げラッシュに伴う物価高騰は会員の皆様の家計にも少なからぬ影響があることを鑑みて、今年度は据え置きという提案でした。 議長採決の前に、会場から、危うい予算では難しい、2000円ほどあげてはどうか、と提案がありました。 それに対して、2,000円は少し厳しい、1,000円くらいなら、などの値上げ案も複数ありましたが、総会委任者35名の意向も踏まえ、4000円据え置きに決定しました。 ========================= 今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。 なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。 こちらの方もご利用ください。 投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿 ========================== 福岡「楠の会」支部会だより数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。★福岡の集い 4 月10日(月)13:40~16:00 (あすみん) 参加者 10名 (女性7、男性3 )〇 他支援機関からの紹介ということで男女2名の年配の親御さんが出席されました。初めての楠の会でお二方とも長期にわたるお子さんのひきこもりに、そのご苦労、ご心痛が窺がわれ、父親、母親の見方に違いはあれ、我が子への思いはひとしおと、そのお話しを他の出席者も真剣に聞いていました。〇 高校生活を中断している息子を持つ比較的若いお母さんも、小学校の頃から今までの体験や苦しい胸の内を、言葉を詰まらせながら話されました。ひきこもりの苦悩の中でも親子が孤独をしいられて過ごす姿はつらいものです。 すぐ隣に座っていらしたお母様が、高校も多様化している事、そして読書への助言をさりげなくおっしゃいました。そしてその方の近況報告が、なによりも会場の皆さんの感動を呼びました。 〇 その報告とは、親子の問題ではなく、ひきこもる兄を含む3人の兄弟妹の絆のお話でした。問題のなかった弟に危機が起こりそれに対してひきこもる兄自身が立ち上がり、妹をふくめた3人が力を合わせて危機を救ったと言うお話です。何よりも子らの成長を語られるお母さんの表情に、これまでの苦悩が温かみのある当事者たちの前進によって少しずつ溶け出しているようにもみえました。会場にため息ともつかぬどよめきが起こり、皆さんを驚かせたのです。明らかに空気が変わっていきました。 〇 このエピソードに対して、先に話されたお父さんからは、これまでの家族の思いの「発酵(熟成)」との賞賛があり、又、出席者ほぼ全員が、自らの胸のうちや過去の回想を素直な面持ちで語りました。共感が起こるとはこの事だと感じ入った次第です。毎回何かしらの印象深い場面があるのですが、この度は全員の思いがこの明るい話題で一つになったことを、お伝え出来れば幸いです。(H.K) ★福岡東部の集い 4 月21日(金)13:30~16:00 (コミセンわじろ)参加者9 名 (女性 6 , 男性 3 )〇 今回、2人の当事者が参加されたのですが、そのおひとりから「5日間かけて部屋の掃除をしました」と報告がありました。出席者の賛辞と共感の中「「きっかけは」と聞かれると「友達を呼びたいから」との返答。掃除をした頑張り以上のさわやかな心のなかの薫風に感動が広がりました。〇「8050問題」から始まり、「遺言」についてのやりとりもありました。出席者の反応としては、子どもたちに対する信頼関係をベースに、一人一人が真剣に考えておられるようでした。まだ始まったばかりの新年度、これからも幾度か話題に上る事でしょう。 〇 主婦の引きこもりが増えているとのニュースが話題になりました。結婚し子供が生まれて学校に行きだすと、主婦は自らが行う主婦業の在り方に引け目を感じ、存在感を失う。自分の生きるスペースが限られ、閉ざされた世界の中で急速に孤独感に襲われる。そんな状況から「ひきこもり」に至るらしいとの話しに、会場では共感と違和感が交錯しました。長年、子どもの「ひきこもり」と対峙してきた 親の会の中では、新たな局面を見る思いで、まだ適当な言葉が見つからない印象でした。 〇 通っている教会の牧師さんの話をされたお母さんがいました。以前、フィリピンにひきこもりの子達を集めて指導されていたこともあるというその牧師さんは、少し変わった方で、説教よりもマジック(手品)が得意な宣教師として存在感を示しておられたとか。もしご縁があれば この方の深い志をお聞きしたいとの声があがりました。 〇 今回の集いは、文字で綴る以上に意義のある会であったように思います。ここに集まった出席者全員が、悲喜こもごもの経験を蓄えながら、日常生活をより厚みのあるものにしていかれることを切に望みます。(H.K) ↑楠の会ホームページトップへ |