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楠の会だよりNo.169号(2016年7月)記事より


長雨が続きますが、皆様の地方では被害を受けておられないでしょうか。
先月24日(金)久留米地区では久しぶりに講師の先生をお招きして、会員外の方の参加も呼び掛けて講演会をしました。
雨続きの中、20人程(会員11人、一般8人)の参加者がありました。四戸智昭先生の講義は久留米地区では初めてでしたが大変好評でした。
内容の要約と、参加者の感想(アンケートより)をご紹介します。

講演 「家族ミーティングで生まれる変化」 
講師 四戸智昭先生(福岡県立大学大学院准教授)


ひきこもり問題を抱える家族でよく取り上げられるのが、母と子の膠着した共依存関係です。
それはコインの裏表と同じで、母の子に対するコントロール行動に対して子の母に対するコントロール行動が誘発される。
例えば母が子どもを働かせようと若者サポートステーションの情報を強く提供する。一方子はひきこもると言う行為で、母を静かにさせようとする。
また母の支配と子の服従、反対に母の服従と子の支配関係ができていく。
それは子のため家族のために尽くす良妻賢母であろうとするところで作られていく。
そこにあるものは母の強迫観念的態度、二者択一的態度、現状否定的態度、コントロール的態度と自他境界混乱的態度が存在している。
子は母の外界から閉ざされ、隠ぺいされた世界と子以外に選択肢がない世界、子が就労する以外に自分の存在意義を見出せない世界に閉じ込められている。

この閉塞した状況を変えていくには仲間同士の語り合い、ミーティングがいい役割を持っている。
ミーティングによる変化は、他者との出会いによって子以外の世界があると言う気付きができ、母と子の開かれた関係ができることである。
各家庭には固有のコミュニケーションパターンがあり、その習慣化がある。
それを変えていくのは他の人のパターンをみてわかっていくのがいい。
私はよく<親が自分のためだけにお金を使う>と言う宿題を出しているが、それは親が自己の欲求に気づいてもらうためである。
そこから他者との境界を自覚し、開かれた世界に導かれていく。
グループミーティングの語りを通じて現実に反映していく自己ができ、それに父や子が影響を受ける。
それをまた語り、さらに再帰性が生まれ、家族全員が成長していく。
時には自分の親との関係からどのような環境に育ったのかを思い出してみるのもいい。
時間はかかるが一瞬たりとも同じ状態ではない筈、小さな変化を見ながら、継続していって欲しい。(要約 吉村)

★課題を抱えた家族の5つの課題とミーティングによる変化(成長)★

参加初期

・話題の中心が子のこと。(強迫観念的態度)
・とにかく社会復帰させたい。そうしないといけないと思う。(二者択一的態度)
・自分の育て方に対する非難。子の態度に対する非難。(現状否定的態度)
・子への過剰な世話焼き、この態度に対する依存的態度。(コントロール的態度)
・家族の話をするときに、家族関係の境界があいまい。(自他境界混乱的態度)

参加後期

・自分自信の将来や趣味の話題が出てくる。(興味関心の広がり)
・実は、無理して苦しむより、家にいてくれる方が安心している自分がいる。(選択肢の広がり)
・このままひきこもりでも構わないという現状を肯定する態度。(現状受容態度)
・遠くから見守る。子の成長を時間的に追うことができるようになる。(非コントロール的関係)
・子と親の境界、夫婦の境界が意識化される。(他者との境界を意識)



<久留米の会アンケートより(28年6月24日)>

・自助能力を高めながらひきこもりの問題に取り組んでいきたいと思った。自分の人生の目標を考えてみようと思う。

・今日参加して「自分のことも考える」というお話がよかったと思いました。子どものことばかり毎日考えないで自分の人生もあると考えることに気づきました。ありがとうございました。

・今日は参加できて本当によかったです。四戸先生のお話が素直に心に入ってきて、このところ少し揺れていた気持ちが落ち着きました。もっと自分を豊かにしたいです。HAPPYになるために・・・。今日はひきこもりの息子が駅まで車で送ってくれました。感謝です。