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楠の会だよりNo.177号(2017年3月)記事より

空の明るさが際立ってようやく春の訪れが感じられるこの頃です。
先月2月12日の講演会「ひきこもり支援と就労支援の現状」には63名の参加者があり、今ひきこもり に関する問題への関心の大きさがうかがわれました。
参加の皆様には感謝申し上げます。(詳細は楠の会だよりをご覧ください。)

<今月のトップ記事>

ひきこもり問題が社会に投げかけること


 さて、ひきこもり親の会福岡「楠の会」は今年度、活動の拠点である事務所兼居場所を撤去し、地域に分散して親の会を開催してきました。
 福岡、福岡東部、久留米、筑紫野、宗像と、不定期ですが糸島、大牟田、それに親父の会とがそれぞれ特色のある集いを開催しています。
 会員数も前年度とほぼ同じくらいを維持しています。
 しかしまだ支援につながらないひきこもりの人がいるらしいのはよく耳にすることです。
 いったいどのようなことが親、子の社会参加を阻んでいるのでしょうか。
 
 それを考えるヒントとして、先達て1月22日名古屋で開かれたKHJ主催の「長期高年齢化したひきこもり支援の現状」で<社会参加しない三つの壁>として発表された資料をご紹介しますので参考までにご覧ください。(NPO法人なでしこの会会報176号より引用)

  <社会参加への壁>
 1. 家族と社会の壁(例)
 ①(親)多忙などによる相談に乗り出す時期の遅れ
 ②(親)状況を変えることへの不安、抵抗感 
 ③(親)支援機関、窓口対応への失望感
 
 2. 本人と家族の壁 
 ①(親)子育てへの罪責感、本人の暴力などに由来する家族の萎縮 
 ②(親)高齢などで、本人のきめ細かい理解が困難

  3. 本人と社会の壁(例)
 ①(支援者)支援機関・窓口のひきこもり理解の不足 
 ②(支援者)相談からサービス提供に結び付ける支援の不足 
 ③(本人)障害・疾患に関連する社会との多種多様なミスマッチ
 
 これらを踏まえて壁を乗り越えるためのいろいろな道筋を編み出し、よりよい支援を考えていきたいと、この一連の報告は結んでいます。
 
 また、同じ講演会で川北稔氏(愛知教育大学)は“ひきこもり問題は思春期青年問題と考えられてきたが、近年40歳を超えるものも多くなり高年齢化が問題視されるようになってきた。
 自立相談窓口には「80・50問題」というように高齢化した親と子の組み合わせによるひきこもり相談が寄せられ、介護や最低限の生活維持などのニーズが複合化している。
 家族会においても多様なニーズに応じるためには外部機関との連携が重要になると考える”と言われます。

  ひきこもりという名称ができて20年近くになりますが、ひきこもりが思春期問題から老年期にまで幅を広げ、人生を考えることになってきました。
 また支援の方法も発達障害という名称が加わって、理解の仕方と対応の仕方も幅を広げてきています。
 精神科医療にも投薬に頼る治療方法に反省が見られています。
 若者の就活の場も猛烈社員ではなく、働きやすい職場志向が求められるようになってきました。

  実はこれらの変化の中に、人の生き方に{心}が重要視されてきている兆候が見られるのではないでしょうか。
 生きるとは体を生かすことではあるけれど、体を生かす根っこには{心}があることに気づいてきたということではないでしょうか。
 そうであれば「ひきこもり」は社会にカナリヤの役目をやっていると言われた初代KHJ代表の奥山雅久氏の言葉が生きてきます。
 私たちの活動も意味を持ってきます。
 「ひきこもり」は隠すことではなく、社会啓発へ重要な役目を持っていると思いなおしていいのではないでしょうか。      

<3月の講演会案内>
講演会 ひきこもり依存症から抜けだすために

 日時:平成29年3月21日(火)13:30~16:00
 場所:メイトム宗像 202会議室
       (宗像市久原180 TEL:0940-36-0202 )

 講師 四戸智昭(しのへともあき)氏(福岡県立大学大学院准教授)


不登校やひきこもり、未就労者などの問題をもってお困りのご家族・支援者の皆様に、依存症(アディクション)の立場から対応を考えていく上でのヒントを提示します。まずはお気軽に足をお運びください。

   参加申し込み:不要 当日受付
   参加費:1000円(会員500円)
   講演会のお問い合わせは
   090-8222-7403 福岡「楠の会」

福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりから2ヵ所をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、楠の会だよりNo.177号をご利用ください。

★ 福岡の集い 2月17日(金)あすみん  

「ひきこもり長期高年齢化に備えて~親あるうちに~」を予定していたが人数が少なくてよもやま話で終わった。
参加したお1人は「時折荒れる子どもに手をこまねいている。年を取って親は逃げるしかない」と、切実な胸の内を語ってくれた。
荒れる子どもについてはやはり希望のなさや焦りからはけ口がない感情の発現ととれるという一人の答え。
よかったら医療機関など専門家に相談に行ってみては。
多くのケースをみていらっしゃるので私たちにはないアドバイスがあるかも。
その上で子どもには、お前のことが心配でたまらないから相談に行っている、と伝えてみてはどうだろう。」
「どこに相談すれば?」「そうですね、○○○はどうだろう」「△△△もありますね」。
なんという的確なやり取りだろう。 この話を かわきりに、遺産相続の話題や、金銭についてちょっとした話、私も日頃は言葉にしづらいことも話せた気がする。

帰宅後、配布された資料を読んでみると「長期ひきこもりの親には、複雑な思いが鬱積している。それは・・・」と書いてあり、それはまさしく私のことでもある。 斉藤環の「社会的ひきこもり」を久しぶりに再読したら、子どもの気持ちを忘れていることに気がついた。
どうりで、うまくいかないはずだ。
この問題に近道なんて無いんだと、改めて悟った。
自分の事も楽しみ、どっしり構えよう。困ったら相談。不安は口に出すが良いとも言うし。

★ 福岡東部の会 2月18日(土)コミセン和白 

初めて来られたお父様は30歳の息子さんが仕事を辞めてひきこもり状態で心配ということで、それについて何人かの方が体験を話していただきました。
あるお母さまは「自分自身がぶれない心の芯をもって生きていくことがよかった」とお話しされたのは印象的でした。

先日の講演会の感想についても語り合いました。
同じお話でもそれぞれ受け止め方、理解が違い、ひきこもりの期間が短くて就労を望んでいる方にとっては鳥巣さんのお話しが大いに参考になったようでした。
逆に長いひきこもりの方は山田孝明さんのお話に感動されたようでした。
またいつまでも状態が変わらないケースでは医療機関への相談も必要ではないか、という当事者からの意見もあり、医療の利用についてお聞きしました。