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楠の会だよりNo.276号(2025年6月)記事より

さくらんぼの実る頃
(シャンソン「Le Temps Des Ceries」薩摩忠訳 第4節) 

さくらんぼの 実る頃は 懐かしい想い出の よみがえる時
喜びや 悩みさえも 思い出は ほろ苦く
さくらんぼ ゆする風に むせながら しのぶよ



「オープンダイアローグ」は、日本の窮状を救う一つの試み

柔らかな緑にあふれた季節から、空気中にも地面にも水を感じる季節に移りつつあります。
この時節体調を崩される方が多いように思われます。どうぞくれぐれもお大事にお過ごしください。
さて、これまでにも私たちは意欲あふれるこの道の専門家の方々に直接お話を聞いたり、著書などを取り上げてご紹介してきました。その中でも斎藤環先生は常に注目の先生ですが、近年先生は「オープンダイアローグ」の普及活動に力を入れていらっしゃいます。そして「つくばダイアローグハウス」というクリニックを開業されています。
その上、ドキュメンタリ―映画「対話の中の光」の企画者になっておられるのを目にしました。映画製作の意図は何かを調べたところ、製作・監督の都鳥伸也氏の言葉がありました。

〖オープンダイアローグは単に精神疾患の治療の手法と言うだけではなく、私たちの普段生活にも通じる示唆に富んだものです。オープンダイアローグは「開かれた対話」という意味ですが、そもそも人間にとって、対話そのものがとても難しく誤解が生じやすいものでもあります。こうした難しさが、ひきこもりやいじめ、自殺などの社会問題を引き起こしていると言ってもいいかも知れません。ですが、オープンダイアローグを教育現場に取り入れることが出来れば、子どもたちは小さな時から、よりよい人間関係の構築を学ぶことが出来ますし、企業の社員教育に取り入れれば、仕事の現場自体が変わり、よりよい企業風土を作ることができます。総じて、オープンダイアローグはより良い社会づくりの手立ての一つになると言っても過言ではありません。私は未来への希望を託し、オープンダイアローグが日本へ、世界へ発展していくための一助として、専門家や当事者以外にも見ていただくことを視野に入れて、この映画を製作したいと考えています。〗

実は2013年に「OPEN DIALOGUE」(ダニエル・マックラ―監督)が世に出ており、その後の10年間でオープンダイアローグは多くの領域に浸透し、法務省での決定で全国の刑務所で実践されているそうですが、ただ医療現場では遅れているということです。
斎藤環先生たちが先導されるこの試みは、現在日本社会が抱えている危機的諸問題の解決の糸口になるのではないかと、大いに期待したいと思います。ともかく小学生から老人までの自殺者、孤独死、そして心の病を抱える人の多さを解消することは急務だからです。
オープンダイアローグの一番の特色は、指導者と患者、又は専門家とそうではない人という上下関係がなく、参加者が皆対等であることを前提に、お互いが学び合うと言う姿勢が基本だとか。勝手な言い方ですが、意外に私たちがやっている家族会はその線に沿っているのではないかと思いました。家族として皆同じ目線で、題を決めない、話し手に十分話してもらい傾聴する、批判批評はしない、‥‥等々。ただひきこもりに限らず話題は世間話になったり、お笑いになったり。その様子は後半の支部会だよりをご覧いただければわかりますのでぜひご一読ください。(吉村)  

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★有明の集い  5月 10日 ( 土) 13 :3 0~15 :0 0 ( ひとびと暖話室) 参加者 7名 (男性3、女性4)

〇 Aさんより:3人の子供が不登校です。どうしたらいいか辛い。今までもいろんな方々と相談してきた。色んな研修にも参加して学んできた。でも何も変わらない。その中で、今日は、こんなにゆっくり話が出来た。初めてです。何だか軽くなった。そんな感じがします。子どもたちへの思いの中に、少しずつ受け皿づくりをしていきたいです。

〇 Bさんより:本人の生活の昼夜逆転は変わらない。同じ環境の人が相手なのか深夜に電話で話をしている。それ以外、特に大きな問題行動は見られない。今の私が心掛けている事の一つに、「ありがとう」という言葉を使う様に意識するようにしている。相手からの反応はなくても、言っている私の心が軽くなっている気がする。これからも続けていきたい。

〇 Cさんより:農作業が忙しくなってきた。そんな私の姿を見てか、子どもは、家の事や洗濯物を干してくれる時もある。ほんの少しだが、短い会話も出来る時もある。嬉しい瞬間です。

〇 今回のサロンは、先ず始まりと同時に、サロン等で召し上がって下さいと、農家の方から頂いた今年最初の黄色のスイカを皆で食べました。「美味しい」という嬉しさと笑いからスタート。この部屋に来ると何となーく落ち着いてゆっくり出来る。部屋の外は少しの花と少しの野菜と、そして見渡す限りの田んぼ。そんな暖話室に、これからも皆さんの力添えを頂いて、サロンに取り組んでいきたいものです。感謝ですね。有り難うございます。(МG)

★筑紫野の集い 5月14日 ( 水) 13 : 30~15 : 30 ( 筑紫野市 生涯学習センター) 参加者5名 (女性5 )

1か月間の報告をしました。
〇 Aさんは家族がコロナにかかり、コロナが5類に移行して病院の対応が以前と比べて違うことを驚きを持って話されました。部屋の消毒等を当人として、お疲れの1か月間の報告をされました。

〇 Bさんは、連休に当人が兄弟姉妹にあわせて一緒に帰ってきたことを報告されました。生活費が足りているのかや、頼み事を聞いたりと、しっかり会話されているようです。また、部屋での隣人トラブルにひとりで対処した事を知り、親としては、ちょっと心配な出来事でしたと話されました。

〇 Cさんは体調がだいぶ良くなられたように見えました。今度相談機関に行ってみようかとも考えてあるようで、お子さんの事でまた前に進む元気が出てこられた事を嬉しく思いました。

〇 Dさんは、雇用条件を変えてもらって引き続き働いている当人の事を報告されました。「生きがいを見つけられると、もっと前向きに生きていけるのですが…」と言われました。 (MK)

★久留米の集い 5月 23日 ( 金) 14 : 00~16 : 00 (えーる ピア久留米)  参加者 3名 (男性1、 女性 2 )

この時期は様々な予定と重なって参加者が少なくなります。急な病で退院したばかりというお知らせもありました。3人でどうかと思いましたが、重要な話題へと発展、いつか時間オーバーしていました。

〇 息子の口が重く、何を考えているかわからないという話題から。ご本人はおそらく聞いていないわけではない、耳に入っているはずだから、返事を期待しないでともかく話かけていくほうがいいと思う。毎日雨の日も風の日も欠かさず外へ出て歩いて回ると言うことは、すごく体力がついているということではないだろうか。当然精神力も。危ない目に合ったこともあるが、その時は警察に届け出たと言うことでした。いざとなったらできるんだと改めて彼らの力を認める気持ちになりました。

〇 一般に親は心配のし過ぎがあります。それが本人たちにとっては親が自分を正当に見ていないとのいらだちになっているだろう。親に話しても無駄だと思われる所以だと反省しました。

〇 今後、今の家では住みにくいので、住み替えをしようと家を探しているが、ネットを使う必要があるのでスマホ教室に通っているということです。頑張ってください。(F・Y)



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