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楠の会だよりNo.235号(2022年1月)記事より 

新年のご挨拶   甲木敏光(福岡「楠の会」代表)

新年おめでとうございます。
1昨年以来コロナ禍が続いて大変な中、福岡「楠の会」の活動には皆さまにお世話をおかけしております。
政治では、孤独、孤立対策担当大臣が出来て、ひきこもり対策にも期待されている方もおられるかも知れませんがあまり期待出来ないのではないかと思います。
なぜなら、ひきこもりは自から社会から遠ざかっているからです。
そして今、親が80歳代,子が50歳代と言う状態になってしまったということは、これまでなされてきた対策がそれほど有効な対策ではなかったと言うことであり、今後も時間をかけて試行錯誤していくしかないと思えるからです。
海外では「ひきこもり」と言う言葉はなく、世界標準語として日本語の「ヒキコモリ」が使われています。
日本も大戦前(75年以前)は、大家族が多く、地縁血縁関係が固くてひきこもることが難しかったかもしれません。
戦後は核家族化が進むと同時に社会との接触を断つ人たちが多くなり、家族もそれを人に知られないようにしてきました。
西欧の国々では、ひきこもりも「精神障害」として対応するそうです。
そしてひきこもりも、うつ病も、統合失調症も誰もが罹る普通の病気として、特に気にかけないそうです。
社会人となったら、家を出て自立し、機会があれば家族をつくる。
もしそれが不可能な状態であれば、治療を受けたり、社会保障を受けて生活することが社会的に公認されているようです。
今一度日本も立ち止まって考える時期がきているのかも知れません。

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< 2月の催し物案内  >
OSD福岡講演会
詳しくは下のチラシをご覧ください。


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<皆さんの声Ⅰ> 
「福岡県ひきこもりサポーター養成WEB研修」に参加して


題目の研修が、11月から12月にかけて、計4回各3時間の日程で行われました。
私はサポーターになれる自信は全くないのですが、WEBであるし、全体講師である長阿彌 幹生先生(教育文化研究所 代表理事)のお話を聴講したことがなかったので、興味を持ち、申し込みました。

一回目『ひきこもりに関する基本的理解』を県精神保健福祉センター長が、お話しして下さいました。
ひきこもりの回復には、当事者にとって、自宅が安心安全だと感じられることが大切で、「自宅の居心地が良すぎると、ひきこもりが長引く・・・」ということは、ありません と教わりました。
ここは、大変難しいところです。時には当事者に刺激を与えなければ、何も改善しないと思ってしまいます。
ですが当事者が周りに心を開かないで頑なな時、まずは、充分に心を休ませるという意味で、自宅を居心地の良いものにするのが良いと理解しました。

二回目『サポーターの基本姿勢(寄り添う・とことん付き合う)』
三回目『同上(受け止める)』
四回目『同上(支える・つながる)』をテーマに長阿彌先生が、お話しして下さいました。

先生は毎回『"ひきこもり"が当事者の人生をダメにするのではなく、"ひきこもり"をダメと思っている人たちが当事者の人生をダメにする』という『基本的視点』からお話を始めます。
これは、私にとって衝撃的な言葉でした。
頭では分かっていますが、ダメという気持ちが、湧き出てくるからです。
なぜ、ダメだと思うのか?それは、「自分が正しい」と思っているからです。
そのことを説明するために先生は「確証バイアス」についてお話しして下さいました。
本当に自分の考えていることは正しいのか?どのくらい正しいのか?その根拠は何か?そのようなことを一つずつ考えてみると、正しいと思っていることが、あやふやになってきます。
自分の不完全さや未熟さを思い知らされます。
先生は、目と口を逆さに変えたモナリザの絵を更に逆さにして人に見せた例をあげて、正しさの検証をしました。
パッと見はモナリザだが、よく見ると違います。
とても、わかりやすい実験でした。多くの人は、この変化させた絵をモナリザの絵だと思ってしまうそうです。
また「あの人は靴をはいていない」を事例に考えました。
外では靴をはいているのが当たり前と思って読むと あの人は貧しいのか?と想像します。「あの人は素足だ」と読むと、あの人は暑がりなのか?と想像します。「あの人は、そこにいる」と読むとそのままを想像します。
今、目の前にいる人と対峙する時、自分の中にある前提条件や固定観念を外して考える練習をしましょう と教えられました。

先生は「ムカつきカレンダー」というものを付けており、紹介して下さいました。
・相手の何にムカついたのか?
・ムカつき度(激・並・ちょっと)
これを付けると、自分の怒りの傾向が分かるようになり、自分が正しいと思っている時ほど、ムカつき度が高くなるそうです。
そこで、私がムカついた時のことを思い出してみました。
主人は最近耳が遠くなり、私が尋ねたことを一度では聞き取れず、必ず「はぁ?」と聞き返します。それでリピートしなければならず、イラッとしてしまいます。
よくよく考えてみれば、耳が遠くなったことは、仕方がないのだから、私がまず「お父さん聞いて!」と注目してもらうことから始めれば良いのだと気がつきました。
このようなことは、日常にゴロゴロ転がっていますね。ムカつきの分析はこれからもしていこうと思いました。

先生は、朝食に必ずバナナを食べるそうですが、そのバナナは、フィリピン産でそこから一体どれだけの人の手を渡って私の手元に届くのかと思いを馳せるそうです。
「支える」ことは「支えられる」こと。自分たちが今ここに生きているのは、さまざまな人の支えがあって生きていると言うことを改めて考えさせられました。
他にも、いろいろ、先生の失敗談を交えて、面白おかしく拝聴させていただきましたし、メンタルケア協会の海江田氏、ひきこもり体験者K氏のお話もありました。

全体を通して、この世の中を少しでも生きやすくしていけるような、ものの見方、考え方が、散りばめられていました。
そしてサポーター養成研修でしたが、当事者の親こそ一番近いサポーターと考えれば、とても役に立つ研修でした。
レジュメの中にサポーターの目的として「楽しくいきる、明るく生きる、そんなことが無理なく、自然にできる人間こそ、ひきこもり当事者の"伴走者"として、その役割を果たしていくことでしょう」とあります。
私には、たった一つ楽しめる趣味がありますから、この趣味は、大事に続けていきます。

今年は、皆さんに、笑顔になれる瞬間がたくさんありますように。  (会員F)

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★筑紫野の集い  12月 8日(水) (カミーリヤ) 参加者 6 名 

この1ヶ月間の報告をしました。
はじめに、お子さんの気持ちが落ち込んでいるようだと、心配そうに話し始めたお母さん。
「季節的にそのようになりやすい時期ではあるが、生来母親の自分が持っている鬱になりやすい体質を子供も持っていて、それが引きこもりの一因になっているのではないか」と憂いておられ、「わが子の知らない一面を見た、これからも自分は幾度もこういう思いをしなくてはならないのだろう」とお辛いようでした。
会報12月号にあった斎藤環先生の何気ない日常の会話(対話)からまず取り組まれたらどうだろうかと助言もありました。
帰られる時は「ここに来て思いを吐き出す事で気持ちが軽くなりました。これからも参加して悩みを打ち明け、気持ちを楽にしたい」と仰っていました。それこそが親の会の本分だと思いました。
一人暮らしをしている当事者と2か月ぶりに食事に行ったことを報告された方がいて、その時の当事者との明るい会話をお聞きできてうれしい気持ちになりました。
当事者が変わってこられているなと感じました。
就職への動き等がなくて何も変わりありませんと言われるご家庭もありましたが、その方は家の中でいろいろ手伝いをされているようです。
また、新聞に寄せられた60代主婦からの人生相談のコピーを持ってこられた方がいました。
それは、ADHDの娘がその子供達3人の中で長男だけを「気が合わない」等で感情的に激しく叱るのは、どうしたものだろうかというもので、紙上での回答は専門機関の助言が必要ということでした。
引きこもり問題も同様に、自分たちだけでなんとかしようと思わないで、専門機関に相談するのが大事だと話し合いました。
最後に、福岡県精神保健福祉協会の冬期講座のYouTube配信の案内がありました。(K)


★ 福岡東部の集い 12月 18日 (土) (コミセンわじろ) 参加者9名 (男性 1, 女性 8 )

初めての参加者がありましたので、簡単な自己紹介をやることにしました。
いつもは出された話題について皆で意見を言ったり思いを語ったりしていましたが、今回は各自のこれまでの振り返りがきちんと纏めて話され、初めて聞くような新鮮な思いで聞き入りました。
最後に順番が回って来られた方は、皆さんいろいろと苦労をされてきたのですねとの言葉に改めてそうだったと思いを新たにして、こうして仲間がいることに心から癒される思いでした。
支援関係の方が今回加わり、親がどう対処していいかわからない症状についてや、グループホームのこと、障害者支援関係の社会資源について等アドバイスをいただくことができました。(Y)




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