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楠の会だよりNo.213号(2020年3月)記事より

令和元年度福岡「楠の会」を振り返って      
令和1年度が3月で終わります。
福岡「楠の会」も20年という年月を経てきました。
いつかその振り返りをしてはと思いながらも時間に追われてしまいます。
せめて1年間は何をしてきたか、そしてどの方向に向かおうとしているのか、簡単に振り返ってみたいと思います。
社会に繋がっていない子どもを救うのはまず親であるという確信を持ち(田中千穂子さんの言葉)、とかく気持ちが乱れたり、落ち込みがちになる親たちの力を回復させ、子どもへのいい支援者になれるようにとやっているのが自助グループ活動です。
現在7つの支部ごとにその地域の特色を出しながら、いい雰囲気づくりの努力をしています。
初めての参加者には先輩格の方が同じ経験を語ったり、親がどのような点で自分を変えていくことがあるかなどの学習会をしているところもあります。
また年月をかけなければ結果は出ないことをお伝えしています。そのうえ利用してよかった医療や心理相談など支援機関の交換をしています。
特に今年は親亡き後に全く素知らぬ顔ができない兄弟姉妹の人たちへ、親自身も目を向けてみようと兄弟姉妹の会を2回開催しました。
ひきこもりは当事者だけの問題ではなく、家族全員の問題ですから家族全員への目配りが必要でもあります。
この後にある「兄弟姉妹の会」の記事をぜひご覧になってください。
また久しぶりに当事者の声を聴く会をやりました。子ども世代の世界も20年の歳月の間に変化が起こっている感じがしました。ネット社会に生きている彼らは情報をうまく使って、自らを受け入れ積極的に生き方を模索しているように思います。
今年大きな話題になったのが、8050問題の中で浮き彫りになった40歳以上50歳代の社会参加をしていない人たちが60万人いると言う数字でした。
国も4月から全国的に就職氷河期世代活躍支援という対策を、3年間多額の予算をつけて打ち出しました。支援対象は1.不安定な就労状態にある方、2.長期にわたり無業の状態にある方、3.社会参加に向けてより丁寧な支援を必要とする方(ひきこもりの方など)となっています。
福岡県の15歳から64歳のひきこもりの人は約4万人と推計されていますが、今後各市町村でも支援の窓口を設けるそうです。
まだ支援の存在も知らない方々にも情報が届くよう、私たちも努力していきたいと思っています。

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< 3月の催し物案内  >

福岡県 ひきこもりの兄弟姉妹の集い
 
  最近の新型コロナウィルスの影響で
「すてっぷ」は全面活動中止になっています。
  3月15日の兄弟姉妹の会も延期します。
  延期の日時は未定です。  

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<投稿>
1/25福岡県「兄弟姉妹の集い」を開催しました

      KHJ全国ひきこもり家族会連合会
            本部・ソーシャルワーカー 深谷 守貞


ひきこもりは兄弟姉妹にとっても切実な問題です。
「 親亡き後は自分が支えなければいけないのか?」、「親が抱え込んでしまって動かない」、「親と本人の関係性が強くて疎外されてしまう」…等、親とは違った距離感や悩みを抱えています。
福岡「楠の会」にも兄弟姉妹の参加者が来ていて「兄弟姉妹だけで話せる場が必要ではないか」との要望を受けて、昨年9月20日に「兄弟姉妹の関わり方」として講演会を開催しました。
講演会終了後にも分かち合いの場を設けましたが、今回、改めて福岡で「兄弟姉妹の集い」として、兄弟姉妹だけが集まって、悩みや苦しみを分かち合う場を設けました。
会場は「福岡市男女共同参画センターアミカス」です。
1月25日当日は5人の参加者で分かち合いが行われました。
最初に9月の講演会資料を用いながら、45分オリエンテーションを行いました。
兄弟姉妹だからこそ抱える不安を説明し、特に扶養義務については「自分の生計に余裕がある場合にのみ派生する『扶助義務』である」ことをご案内しました。
ひきこもりは社会問題の側面もあって、自分たちの家が特別な訳ではないこと。何よりも「兄弟姉妹は『自分の生活を第一に考えて欲しい』から、自分の余力のところでひきこもり本人と 関わって欲しい。そのために社会制度を活用しましょう」とお話ししまして、安心感を促しました。
その後120分強で分かち合いを行いました。
「家の恥を曝すな!」と親に言われて誰にも話せなかったこと。
本人との距離感が取れず、自分の生活もある中で関わり方に悩んでいること。
親に何かあった時に支えきれない先取り不安。
これまで誰にも話せなかったことを分かち合うことで、涙を流す参加者もいらっしゃいました。
最後は参加者全員が「勇気を出して来て良かった」とお気持ちを楽にされて帰られました。
兄弟姉妹だけだから同じ立場の中で話せる、分かち合えることの大切さを改めて感じ入りました。
今後は福岡「楠の会」と、北九州市ひきこもり地域支援センター「すてっぷ」の和田センター長の協力で、兄弟姉妹の集いを継続していく予定です。
福岡「楠の会」が、今後各地で兄弟姉妹の会が開催されていく先駆けとなって欲しいと思っております。

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。☞楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者の独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★ 福岡の集い  2月11日(火・祝)14:00~16:30 (あすみん) 参加者 12名

親亡き後の対策として、当事者の住まいがあるということは何よりも安心できることです。
そこで平成21年開設されたグループホーム「オークマ」の馬場由紀子様(NPO法人レッツ副理事長)にお話を伺いました。以下資料より重要な点を抜粋してみます。
● 障害者グループホームとは
単身で生活に不安がある障害者が、食事や生活上の支援を受けて共同で生活する住居です。
国の障害者総合支援法で「共同生活援助」と言う福祉サービスになり、国と自治体から訓練等給付費が支給されます。
厚労省によると2017年12月時点で11万3489人が利用し、7701事業者が運営しています。
参考までに2016年(平成28)度障害者白書では、身体、知的、精神の成人は806万7000人ですので、割合として1.4%の人がグループホームを利用しています。
● グループホーム利用の運営費や自己負担金
グループホームの運営費、人件費等は、国と県と市町村が税金の福祉予算から負担します。
利用者の障害支援区分によって運営費の支給額が違いますが、平均的には10数万円が施設側に支給されます。
対象者の収入によって、個人の1割負担があります。
大半の利用者は、低所得者や市民税非課税のため減免制度が適用され、グループホームの利用料の負担は0円です。
● グループホームの良いところ
成人した人が親元を離れて一人暮らしができます。
支援者がいるところで、生活ができるので安心です。
日常生活はほとんど制約されずに自分の好む生活ができ、家族にとっても安心です。
● グループホームが利用しにくいところ
お金の負担・家賃や光水熱費がほぼ自費払い(3~5万円)でお金がかかります。
自分の障害年金や作業所の収入だけでは生活費が賄えず、親や家族の援助が必要な人も多いです。
新たに申請するときは、親・家族の資産調査等があります。
自宅の慣れた環境から、別の場所で家族と離れて暮らすことに抵抗がある人も多いです。
他人と顔を合わせて共同で暮らすのを負担に感じる人もいます。
● 今後の課題や夢(主に福祉政策の面から)
障害者の暮らしの場確保のために、グループホームや安心して住めるところがもっと必要です。
障害者を抱える家庭が「親亡き後」を心配しなくてすむような福祉政策を国や行政に望みます。
障害者の支援を専門に勉強した支援者が、経験と研鑽を積みながら、生活して働き続けられるような所得補償も必要です。
良き支援者がいることが、障害者にとっては一番大切です。    

★ 福岡東部の会  2月15日(土)13:30~16:30 (コミセン和白) 参加者13 名

(出席者内訳:事務局、元当事者のかた、初めての見学参加2名、会員9名)
会員のうちお二人には久しぶりに来ていただき、このような会があってよかった、皆さんのお顔を見るだけでもほっとするし、気持ちが楽になりますとのご感想をいただきました。
はじめに福岡の集い2月11日に参加された方から馬場由紀子氏による講演についてご報告をいただきました。
詳しくは他の紙面に譲りますが、グループホームの現状や費用、入居資格など大変わかりやすく説明していただきました。
ただし費用については障害年金ではとても厳しいとの意見もあり考えさせられました。
  また、いつものテーマですが医療につなぐヒントとして、精神科の看板を挙げていない内科併設とかの病院を選んでうまくいった、とのお話があり参考になったようです。
この後発達障害や障害年金受給について認めたくない人も多いが逆に障害者として生きるのも安心できるなどいろいろな意見が出されました。
ひきこもりから完全に回復したとのお話にはみんなで自分たちのことのように喜び合いました。
私からは前日の14日に開催された古賀市社協福祉大会での長阿彌(ちょうあみ)幹生氏講演会「不登校・ひきこもり140万人の衝撃!その基本的理解とは」についてご紹介しました。
我々父親は特に「支配的になることを避ける」という反省から極端に腫れ物にさわるようになっていることも多々あると思いますが、先生の「尊重することと言いなりになることは別のもの、話し合いを繰り返すことが必要」との見解にはハッとさせられたことをお話ししました。
また先生の講演資料から「あなたを支えてくれる人たちがこんなにいます(支援ネットワークリスト)」をご紹介しました。リストはいざと言うときの連絡先をその場面ごとに一覧にしておくというものです。
機会があれば会員のみなさまにも詳しくご紹介できればと思います。(東部の会K)