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楠の会だよりNo.206号(2019年8月)記事より

  朝顔の蔓   金子みすず

垣がひくうて朝顔は,どこへすがろとさがしてる。
西もひがしもみんなみて、さがしあぐねてかんがえる。
それでもお日さまこいしゅうて、きょうも一寸また伸びる。
伸びろ、朝顏、まっすぐに、納屋のひさしがもう近い。

梅雨が明けて以来毎日暑い日が続きます。
このところ同じような犯罪が世間を騒がせています。
犯人が人とのつながりが薄い男性が多いように見えるのは何を意味しているのでしょうか。
戦後70数年、オウム事件をはじめ日本の社会の発展の陰の部分に見落としていた何かがあったと言うことでしょうか。
犯罪を騒ぎ立てることに終わらず、日本人の心の問題について、何を見落としてきたか、専門家の方々にまた市民も一緒に考える必要があるのではないでしょうか。
一応厚生労働省からはひきこもりへの偏見に対して以下のメッセージが出されていますのでご覧ください。

また7月12日の講演会「子のひきこもり長期化に悩む親たちへ」についての感想を掲載しています。

厚生労働省 ひきこもり対策推進事業 【厚労大臣メッセージ】
令和元年6月26日、根本厚生労働大臣とひきこもり関係団体(KHJ全国ひきこもり家族会連合会、ひきこもりUX会議)との意見交換会が開催され、大臣メッセージが発信されました。
メッセージ全文は次のリンク(ウインドウ)をご覧ください。
☞厚労大臣メッセージ      



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<9月の催し物案内>

講演会「ひきこもり者の兄弟姉妹の関わり方」

主催 福岡「楠の会」 
共催 特定非営利活動法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会


日時 :9月21日(土)13:30~16:30
場所 :福岡市市民福祉プラザ
   (福岡市中央区荒戸3丁目3-39 地下鉄唐人町徒歩8分)
講師 :深谷貞守氏
   (KHJ本部「兄弟姉妹の会」担当 ソーシャルワーカー)
     和田修氏
   (北九州市ひきこもり地域支援センター「すてっぷ」センター長)
プログラム
 第1部 講演「兄弟姉妹のかかわり方」
     親御様で関心のある方はご出席ください。
 第2部 分かち合いの集い 
     参加者の皆さんとアドバイザーの和田修さん、
     深谷貞守さんと様々な問題について話し合い
     をいたします。
     この時間は兄弟姉妹の方のみに限らせていただきます。
参加費 :1000円(前半のみ参加500円) 
      
申込  :福岡「楠の会」へ  Tel 080⁻6475-3216
      Eメール fukuokakusunokai723kan@Gmail.com

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講演会「子のひきこもり長期化に悩む親たちへ」
   (講師:山田孝明さん)を聞いて
   (7月12日14:00~16:30 あすみん)

講師の山田孝明さんは「親の死体と生きる若者たち」(青林堂)の著者で、京都を中心に関西地区で「市民の会エスポワール」を立ち上げ、長期化高齢化の親子の支援に活躍されています。
心ならずも犯罪者になってしまう中高年のひきこもりの人たち、この異常な事件ついての話には思わず引き込まれて聞いてしまいました。聴講者のご意見感想をご覧ください。

1.「子のひきこもりの長期化に悩む親たちへ」を聴講して、更なる思いへ 

「ひきこもり者」の数が、百万人を超えるとの発表があり、社会の中で無視できない一大勢力として、市民権を得ることが出来るようになったと、少数派ではないのだと、誰にでもひきこもる可能性がありうる現象なのだと、なにも恥ずかしいことではないのだと近頃思えるようになっていた。
しかし、その直後、思いもしなかった50歳代のひきこもり者による、小さな子どもたちを巻き込み、その命までも奪った殺傷事件が勃発しました。
まさに、8050問題の最悪のケースであり、社会的に孤立し、長期にわたる絶望感、不安感等が頂点に達して関係のない人を巻き込んだ無理心中と推測されます。
これにより、ひきこもり者は犯罪予備軍としてのレッテルを貼られ、それを追い打ちするような「死にたければ、自分一人で死ね」との身勝手なマスコミ発言もありました。
これは社会的に孤立し、また排除され、死を考えるほど追いつめられている人たちを、ますます窮地に追い込むもので、さらに彼らを社会の奥深くに追いやるような状況に陥ってしまいました。
社会からの非難を極度に恐れた家族内で、凄惨な親子の殺し合いが始まり、その類の事件報道が続きましたが、さすがにマスコミも反省したのか、センセーショナルな報道を控えるようになってきたような気がします。
しかし、報道はされないものの、ひきこもり家族は以前以上に社会から逃避し、自死等の悲惨な状況を隠蔽しているのではないでしょうか。
危機の連鎖に慌てた国は、「ひきこもり者個人の状況に寄り添い、きめ細かく支援しながら、社会との繋がりを回復することが重要であり、誰もが相談しやすい体制の構築に取り組みます」と、宣言はしてくれました。
今回8050問題の危機については、「親の死体と生きる若者たち」の著者である山田孝明氏が、亡くなった親の死体と一緒に生活をせざるを得なかった人たちが、私たちと共に生きていることへの理解が必要だと、語られています。
山田氏は、ずっと以前から、現状の危機を予測され、助けを求められれば、何処へでも何時でも出向き、まさに東奔西走の支援を続けてこられました。
氏にとって、悲劇的現状は慙愧に堪えないことでしょう。「人間は神ではないので、全ての人間は障がい者である。ひきこもりの子どもは、家族の障がいを全て引き受けてくれた、家の御本尊様、ひきこもり仏であるとも言える」と述べられていますが、それは、氏の今までの凄惨な現場経験と深い洞察から紡ぎだされた心からの叫びだと思います。
私のような修行の未熟な者にとっては、理解が及ばない深淵ではありますが。
ただ、現在の社会、社会体制が正常だとは思えません。
社会が変化し、各人の多様性を認めると言いながらも、現状の社会体制が普通であり、これを維持し守るべきだとする多数派支配が続いています。
少数派は非難され、社会から孤立し追い込まれています。学校の体制や規則に馴染めなくていじめを受けている子どもたち、会社社会に居場所がなくなり働けなくなった人たち等、現状社会の異常さに耐え切れなくなった人たちがいっぱいいます。
その人たちは命の危機を感じで緊急避難するために「ひきこもり」を選び、家の中に閉じこもるようになったのです。
これは、自己防衛のための極めて自然な姿であると捉えなければならないと思います。
しかしながら、安全が保障されるべき家の中で、家族の理解がなければ一室に立て籠もり籠城するしかなくなります。
この事態に、多数派集団体制の堅持、規則の順守という教育の中で長い年月を生きてきた親からすれば、子どもの考えは異常としか思えないでしょう。
普通の社会に早く戻して自立させなければならないとしか、考えが及ばないでしょう。
山田氏が述べられていた、「ひきこもりの子どもは、普通の社会に戻る必要はない。自分が生きたい社会を作れば良い。ひきこもりの中で幸せならばそれでも良いのでは。親も通常の常識を捨てるべきで、子どもを現状社会へ追い返すべきではない」には、共感するところがありました。
今の社会は異常に満ちていて、個人主義か蔓延しています。隣に誰が住んでいるのかも関知しないし、地域住民がお互いに助け合おうなど、夢の世界です。
困ったことがあれば、行政が悪いのだ、もっと支援をと様々な場面で要求が出され、互助の精神は忘れ去られている。
山田氏は「ひきこもり支援には、せめて5年以上の長期に亘る寄り添い支援期間が必要であると述べられているが、行政の支援期間は短く、ひきこもり者の社会参加・自立を、就労させることと同一に考えています。
自己防衛行動でひきこもり、その間、心の治癒に努め、自己を冷静かつ真摯に内観し、生気を取り戻し、もう一度人と繋がろうという気持ちが芽生えた人には、提供された居場所等で人との交わり方を学び、社会参加にチャレンジしても良いだろうが、この方法も人によりけりで、相性の問題が生じると思われます。
行政の支援といっても、人が人を支援するのであり、専門的知識を持ち、共感し、優しく包み込む気持ちを持った職員が対応してくれなければ、支援にならないだろう。
そういうわけで、親にとっては恥や面子、高齢により気力の喪失もあるでしょうが、先ずは親亡き後の子の不安を和らげる方策を準備して示しておくことが、優先されるべきではないでしょうか。
一人で良いから親子で信頼でき、理解を持って寄り添ってくれる人を選んで決めておき、「何かあったら心配せずに、その人に連絡しなさい。
その人が全部計らってくれるから」と、毎日、言い続けておくことです。その一人を通して、親の病気入院、遺体引取り、残された子の生存保障等のチーム支援が受けられるようお願いしておくのです。
親たちの最後の一踏ん張りです。終活大作戦を子どものために、頑張りましょう。
今の異常社会の中にも、山田さんのように優しく手を差し伸べてくれる人がきっといます。(H)

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。☞楠の会だより投稿      

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者の独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★ 筑紫野の集い 7月10日(水)14:00~16:00 (カミーリヤ)参加者7名

新しい方が2人みえました。
50代と30代の当事者のお母さん方です。
今までの長い期間に色々な所に相談に行かれて、お勉強もたくさんされていました。
ここが気持ちを吐く場所、そして時間はかかりますが、問題解決の糸口を見いだせる場所になれば良いなと思いました。
6月28日の四戸先生の講演会に行かれた方から感想を聞きました。
前述の新しい方も聞きに行かれていました。
「ありのままを受け入れた後、その先、立ち直っていく為にはどのようにしたらよいのか、親亡き後をどのようにしたらよいのかを知りたい」とおっしゃっていました。
またある方からは「ACID (親が避けるべき4つのポイント;前号を参照下さい) の表は自分を知るためのもので、自分を知らないと自分を変えられない。
得点が高かったら(自分を知ったら)何とかしようと(自分を変えようと)動き出すかもしれない」と教えていただきました。
先月に続き、11月に筑紫野市で行われる講演会の内容について話し合いました。
「介護保険のケア・マネージャーのような役割の人が、引きこもり問題にも必要ではないか」…このような話しはどうだろうかという意見も出ました。(K)

なお、8月の「筑紫野の集い」はお休みです。9月にまたお会いしましょう。    

★ 福岡東部の会  7月20日 (土) 13:30~15:30 (和白コミセン) 参加者8名(男性4、女性4 )

台風5号による雨風のなかでの開催となりました。
長崎に比べれば影響はほとんどありませんでしたがいつもより早めの解散としました。
はじめに、総会でも話題になりました、就労につながった事例の紹介がありました。
また、九州大学「家族向けひきこもり支援プログラム 出前講座」に今回参加しているという報告もありました。
詳しいことはお話できませんが、このプログラム自体少しずつですが進化発展されている様子がわかりました。
今回は天気の所為か話題が「ひきこもり」や「精神科」への世間一般の見方はどうなのか、について重たい議論になり意見が割れてしまいましたが、それだけ簡単には結論の出ない問題だということでしょう。
「ひきこもり」については最近の事件報道の所為もあり世間の扱いは誤解が多く冷ややかだ、いや関心や理解が足りないだけだという意見、「精神科」についてはひと昔前と比べていまだに偏見がある、いやそれほどではなくなったという意見でした。
また、8050問題について、9060問題とかただの70問題(つまり親亡き後の70)という予想・予言がありましたのでご紹介しておきます。(東部の会 K )   

★ 久留米の集い 7月26日(金)13:30~16:30 (え~るピア)参加者 13 名(女性10 、男性 3 )

今月3か月ぶりに見えたNさんの話から始まりました。
Nさんの娘さんが少しずつよくなられたのは、お知り合いの奥さんの犬との散歩からでした。
その犬が1月に病死し、また先月新しい犬を飼われたそうで娘さんのところに連れて来られ、また娘さんは散歩を開始されているそうです。
特別な支援者ではなく、周りにいらっしゃるこのような方は宝物ですね、と毎回話題になります。
Fお父さんと娘さんが久しぶりの参加です。
娘さんは今アルバイトを考え中だとか。昔の苦しかった頃の話では、親には「人間同士やけん、親子じゃないけん。」とはっきり言ってきた…と言われた言葉が心に残り、親目線ではなく人間対人間と言うことを忘れないようにしなくてはと反省させられました。
ほかに買い物の話で、モノを買ってやると言うよ りも本人に選ばせるのが大切。
本人が行っている病院を親の私があまりよく思っていないと言う悩みに、病院行きも外出していることが大事で、どうされるかには本人の気持ちを大事にしていかれたほうがいいなど、なるほどと勉強になりました。(S)