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楠の会だよりNo.243号(2022年9月)記事より 

葉がくれに 一花咲きし 朝がほの
 垣根よりこそ 秋は立ちけれ
   
                (樋口一葉)

    

お盆を迎えていろんなことが思い出されます。
私は自衛隊にいたので、まず、服務の宣誓「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努めもって国民の負託にこたえることを誓います」という言葉が浮かんできます。
ウクライナの兵士たちはどんな思いで戦場で戦っているでしょうか。
そしてロシアの兵士たちも本当にお国のために戦っているのでしょうか。
80年程前の日本も同じように多くの若者を戦場に送り込み、若い命をお国のためにと捨てさせました。
今人類が地球の危機に直面して、若い人たちにやってもらわなければならないことは山ほどある時、こんな命の無駄遣いは一刻も早く止めて欲しいと願わずにはいられません。

日頃お年寄りを見ている私は生死の問題が頭を離れません。
コロナでもかなり多くの人が亡くなっています。
お年寄りだけではなく40,50代の人や子どももいるでしょう。
しかし私たちは平常時は死の問題はかなり他人事です。
自分やあるいは身内に不幸が起らない限りなるべく遠ざけていたい問題です。
考えてみると私も、父は27歳で亡くなり、母は88歳で亡くなり、次はと思うと自分に突き当たります。
そうか次は私だと改めて思いました。

長いことひきこもりしていた従兄弟は、母親を92歳で亡くし、やっと一人で生きていくことに気が付いたのでしょう。
最初にお世話になった精神病院で生活を続ける方法を選びました。
彼はもうこれ以上一人ぼっちで生きていくことを選びたくなかったのでしょう。
どんな人も仲間や友達や家族が必要です。
73歳になった従兄弟は今やっと、友達同朋がいる人生を楽しく生きています。
コロナで厳しい世の中ですが、善き人とありがたい人生を送っていきましょう。
      甲木 敏光(福岡「楠の会」代表)


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< 投稿 > 
<読書の秋・「罪と罰」(ドストエフスキー)はいかが?>


朝晩は少し秋の訪れを感じさせます。
それに触発されたわけではないのでしょうが、先日、親の会のミーティングでお父様から県外(山口県)での研修会の話で読書の話題が聞けました。
研修会で体験談を話された元当事者から読書の話が出たそうです。
そのお父様の言葉を借りると、彼は幾つかの愛読書を挙げ、中でもドストエフスキーの「罪と罰」に感銘を受けたとの事。
彼の中でこの作品はひきこもり者の心境を描いたものとして捉える事が出来るとも言い、「この本無くしては今の自分はなかった、人の心がわかるようになってきました」とも語られたとか。

「罪と罰」は長編です。それにロシアの固有名詞は日本人にはなかなか覚えられず、主要人物のリストを傍らに置いて読んだ記憶があるくらいです。
混乱期のロシア社会を背景に、聡明で美貌の神経質な青年が、屈折した心理の中で大罪を犯し奈辺の底をさ迷う話で、一般の読書好きにも「読むのがしんどい」名作だと思います。
当事者の親としては読むなとは言わないまでも「読んでごらん」とは言い辛い。
多分私の心のどこかに、これを読む事でもっと精神が屈むのではないか、リスクが大きくならないかと考えるかもしれません。

当事者の家族は一般的に彼(彼女)に対し先ず癒しから入る。
穏やかさと優しさが絶対的なものに思えてくる。家族のタブーは大きな壁かもしれません。仕方のない事です。

しかし、当事者は気づいています。過去の苦しみも今与えられている思いやりとやさしさも。そして常に探しているのです。自らに本当の光が指す方向を。

「罪と罰」の世界、これこそは一条の光(希望)だったのでしょう。
彼はそれを逃さず、わき目も振らずむさぼり読んだ。
この達成感が心の支えになり、自分が信じられるようになった。
「人の心がわかるようになってきました」・‥‥頭の中で考えただけでは、決して発せられる言葉ではありません。

ドストエフスキーは「罪と罰」のエンディングでこう語っています。
“―ひとりの人間が徐々に更新していく物語―徐々に更生して、一つの世界から他の世界へ移って行き、今まで全く知らなかった新しい現実を知る物語が始まりかかっていたのである―(米川正夫訳)”
「読書の秋」これからの夜長、彷徨する我が子が求めて止まない光(希望)を親子で語らいながらに探してみるのも良いかもしれません。
よいお話が聞けて本当によかったです。(H・K)

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★福岡の集い 8月 16日(火) 13:40~16:00 (あすみん) 参加者 10名 ( 女性8 , 男性2 )

〇即席の進行係で迷惑をおかけしましたが出席者の温かいご協力でさほど間延びもせず、皆さんの真剣なお話を聞くことが出来たことを感謝しております。
時系列に列挙するとお約束に抵触する感がありますので、ランダムに報告させていただきます。

〇 ご両親出席でのお話、当事者である娘さんの気持ちの中に父親の家族に対する専横な態度への不満があると、お母さんが語られた時、一瞬私個人の事を言われているような気がしました。
ひきこもりの家族にとって、父親がこのように観られているケースが多いことは前々から感じていたのですが、あらたまって話を聞かされると、当事者だけでなく家族全体がその事に大きな影響を受けていたこと、そしてお父さん自らがその戸惑いをずっと引きずっておられることを目の当たりにしました。
同席している男性として、「私も少し前まで同じ立場でした」と付け加えました。

〇 ひきこもりの家族にとって父親はその原因の象徴になっているのもあながち間違いではないのでしょう。
ですが、その父親の協力こそが事態の解決の大きな力になるのも事実です。
ある意味矛盾ともとれる状況が家族そのものの関係に鬱々とした時間をもたらしているのだと思います。
その重要性を理解していただく事も親の会の役割と認識するべきなのではと感じました。

〇 当事者自らが農業をなさっているご家族からの報告で、今回イノシシによる被害で収穫がほぼダメになってしまった、
息子の落ち込みが心配だと言われていました。
以前お話を聞かせて頂いたおぼえがあり、ひきこもりの濃淡は別として、当事者自らの意思をはっきりお持ちなのではと推察していましたので、お母様の助言も踏まえてしっかりと前を向いていかれるのではないかと思いました。
お母様の天性の明るさが厄難の悲壮感を打ち消してくれていらっしゃるなと感じました。

〇 最後に、参加者の中に看護師さんがいらっしゃって 発達障害の知識や精神科とのやり取りのノウハウを皆さんにレクチャーしていただきました。
他にも、いくつかの話が出ましたが、勝手ながら文章にすると差し障りがあるように思われましたのであすみん会場に留めておきます。( H・K )

★ 福岡東部の集い  8月 26日(金)13:30~16:00 (コミセンわじろ) 参加者 7名 ( 女性5 , 男性2)

〇 お母さんが所用で出席できないのでと、当事者の男性が来られ、今日が誕生日だと言われたので、マスクをかけたままで皆でハッピバースデイの歌を歌って祝いました。

〇 人から相談を受け、何も答えやアドバイスをしていなくても、ただ聞いているだけで、その人が安心して、喜んでくれたと言う体験を話され、傾聴の大切さをみんなで話し合いました。

〇「自分の心に触れているのがわかる。傷ついたあと、その傷のかさぶたが取れて、つるつるになってきたのもわかるようになった」と人が癒され回復していく経過について話してくれた方がありました。
そのように、人の心というものをとらえていくことができたら、相手の心も、自分の心も大事に思い、支え合うということができていけば、やさしく温かい、寛容さを失わない社会となり、争いのない世界になっていくのだろうなと思いました。

〇 今日はファッションコーデイネートの仕事をされているスタイリストの若い女性が事業(※)の案内に来られました。
以前結婚相談所に勤めていた経験から、人と人とがコミュニケーションを取り始める際に特に大きい要素は、視覚情報(見た目)だと言うことを学び、この仕事を始めたと言うことでした。
その人に似あう服や小物、靴などの選ぶお手伝いをするお仕事だそうです。
なぜひきこもりの人にお誘いをするのかと言えば、最初に外出する際にどんな服装がいいか等迷われると思う。
そんな時お店に同行してアドバイスなどしてあげたいということ。
そこから社会参加を促すきっかけになってもらえればというお話でした。
オンラインを使うこともできるとか。
今後皆さんの意見を取り入れて、もっと利用しやすいよう検討しますということ。
少し目先の変わった話題でした。
(※事業名「イメージコンサルタントコーラル」)




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