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楠の会だよりNo.274号(2025年4月)記事より

花の色は 移りにけりな いたずらに 
    我が身世にふる 眺めせし間に
               ((百人一首 小野小町)

生ける者 遂にも死ぬるものにあれば 
    この世なる間は 楽しくをあらな(終わらな)
                 (万葉集  大伴旅人)

2025年度の初めに当たり
☆今年も満開の桜を見ることができました。ぶれない意志を隠し持って、大きな時の流れに則っ(のっとっ)て生きる植物たち、彼らに私たち人間も学ぶことがありそうです。
さて今年、私たちは何をしていくかを改めて思う時、少し整理して考えて見ようと思います。大きな課題と身の回りの課題があります。大きな課題は8050問題ですが、その中で特に住まいについては、ひきこもりのみならず、結婚しない人達が多くなった問題も一緒に、国の規模で対策を考えていかなければならないことではないでしょうか。その提言は支援者と共に国に訴えていく必要があります。これまで国は持ち家政策を推進してきましたが、公営住宅の増加が必要になってきています。
もう一つ私たち親の課題は、人を避ける当事者の理解をした上で、親が人への信頼を回復する道筋を背中で見せていくことではないでしょうか。考えて見れば、私たち親自身もこれまでの生き方に、何か苦しさを感じてきたのではないかと思います。その苦しさが薄れるような生き方を模索していく、それが突破口になるかもしれません。それでなくても年々老いていく過程に生き方の変化を迫られています。大きな課題と身の回りの課題に光が当たるように、私たちの力が試されています。ただ老いていく日々、無理難題もありますが、声をあげることはできます。親たちが安心して人生を終えるように、また、人手不足の時代、できれば当事者たちの力が生かされるよう、支援者と共に考えていきましょう。(F)

☆昔の話になりますが、ジョンFケネディが43歳で大統領になった時、就任演説の中で、彼は国民にこう話しかけました。「国があなたに何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国の為に何をなすことが出来るかを問うて欲しい」彼の言葉はアメリカ国民だけでなく全世界に衝撃を与えました。
私たちは社会や家族の中で生きています、また生かされているとも言えます。ですから人は社会や家族に対し何か役に立ちたいと願いを持ち、育てられ、勉強し、働くことでその一員になろうと夢や希望を持つのです。それは障がいがある人も病気の人も、経済的に困窮していても皆が求めているものだと思います。ひきこもり当事者は、勉強できなくなったり、働けなくなったりしていますが、その思いを失ってはいません。社会や家族はそれを理解する必要があり、支援する義務があるのです。
今、社会を支える事が出来なくても、家族に負担をかけていてもそれを恥じ入る必要もなければ、逆にそれを口実に自暴自棄になってもいけません。ケネディの代わりに質問します。「あなたは貴方を取り巻いている社会や、家族に対して何をして生きていきますか」(H) 

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2025年度(令和7年度)福岡「楠の会」総会
日時:5月2日(金)午後1時半~4時
場所:あすみん(福岡市中央区今泉1-19-22西鉄天神クラス4階)
万障お繰り合わせの上ぜひお出かけください。

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★筑紫野の集い 3月 12日 ( 水 )13 : 30~15 : 30 ( 筑紫野市 生涯学習センター)  参加者8名 (男性1,女性7 )

1か月間の報告をしました。
〇Aさんは、確定申告をちゃんと済ませた子供さんの話をされました。家では物を修繕しながら大事に使ってあるそうです。電化製品を修理できるというのがすごいなと思いました。
〇Bさんは、しっかりと一人暮らしをしている子供さんの話をされました。親としては色々心配になるとつけ加えられました。
〇Cさんは、自分が今までいかにきつかったかをつい以前のように子供に話してしまい、子供さんから反発された事を報告されました。子供には言い返すエネルギーがあるんだと嬉しく思った反面、 今まで自分がそのように子供に嫌な話をしてきていたんだなと気が付き、反省した事を報告されました。 そしていつも波風立てないように話すよりは、時には波風立てると刺激になるのではと言われました。波風立てると本音が聞けますね。
〇Dさんは、障がい者枠で就労している子供さんの話をされ、子供さんの体調に合わせて就労条件を見直してもらうようになった事を報告されました。
〇皆さんの話を聞いていたEさんが、「子供達が社会に出る、出ないという話ではなく、子供達は皆、人の役に立ちたい、自分が親を見たいと思っている。自分が生きていると感じたがっている。親は子供に他人と同じ生き方を希望するが、親の思惑どおりにはいかない。子供達を今は芽が出ない球根と捉えて、土の中で大きくなるのを待ってほしい。いつか必ず美しい花を咲かせるものと信じています」と話されました。
〇Fさんは、ひきこもりの参考書籍や以前の資料などを大切に保管されています。今回、3月の会報の記事(NHKTV:プロジェクトXの秋田県藤里町の取り組み)に合わせて、藤里町社協に関連した資料を持って来られて、「集い」の話し合いを豊かなものにしてくださいました。
〇当事者の「人の役に立ちたい」との思いの強さを、改めて気持ちに留めておきたいと思いました。プロジェクトXの放送に出ていた当事者も、人の役に立つ喜びを話されていましたね。(M.K)

★久留米の集い  3月 28( 金) 14 : 00~16 : 00 (えーる ピア久留米) 参加者 6名 ( 女性6)

〇いつものメンバーで各家庭のいろんな話をしていたら、当事者の性格や、親や兄弟姉妹との関係がそれぞれ違うなかで、ひきこもりになる子どもとならない子どもがあったり、ひきこもりになりそうな性格でもひきこもらず、その性格とは反対の活発だったお兄さんがひきこもりになったり、ひきこもりというものをよくわかっていたつもりだったけれど、不思議だよねと、今更首を傾げるお話が出ました。

〇また、私の夫とある方の旦那様とは、子どもへの接触の仕方、小さい時のおもちゃの与え方など、いろいろ似ている点が多い上に、趣味もよく似ているらしいとわかりました。そして妻の私とその方とも性格が似ているところがあり、双方の息子たちも、何時まで経っても今の生活を変えようとしない頑固さ(ひきこもりが続いている)が似ているということがわかりました。「ヘェー、何年も一緒にここに来ているけれど、初めてこんなこと話してわかったことがあるね」と言って笑ったことでした。部屋の外は満開の桜。少し寒かったので室内でのお花見になりましたが、お菓子の差し入れをいただいて楽しいおしゃべりタイムでした。(S. A)



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