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楠の会だよりNo.188号(2018年2月)記事より

立春が来ると陽ざしが明るくなり堅い木の芽が膨らんで、自然界では春を迎える準備が進んでいます。   

1月19日(金)には久しぶりに四戸智昭先生をお迎えして学習会をしました。
お話のテーマは「家族機能とひきこもり」、残りの時間でオープンカウンセリングをしました。
先生は福岡県立大学で教鞭を取るかたわら飯塚保健所でカウンセリングもされています。
また会員向けに月1回偶数月の木曜日に相談会をやっていただいています。
「少し遠いけれど田川へ来てください」とのコメントをいただきました。
難しい問題で親たちは頭が痛いのですが、親の会などにつながっていくことで、親が問題に対処する力をつけていくことになるのではないでしょうか。
以下当日の要旨をご紹介いたします。

【“良薬は口に酸っぱし”~家族機能とひきこもり~要旨 】  
〇はじめに、講演のタイトルを機能不全家族とするところだったが、そうしたら誰も聞きに来てくれないだろうし、あなたの家族は機能していないと言われるのはいやだろうということで不全を外した。
日本人は批判されると人格否定されたと誤解しやすいようだが、皆さんを否定するわけではないことをお断りしておく。

〇“機能不全家族”とは機能していない家族。その要因は、アルコール依存症や暴力、DV依存によるもの、また他人のミスを許さない、こうあるべきだなどの狭量な考え方や性格がある。
こういう家族のケアが必要だと臨床の人たちが気付いた。

〇それでは“機能する家族“とは何かと言えば、「喜怒哀楽を屈託なく表現できて共感共有できる家族」ではないか。
うまくいっている家族、問題をクリアーできる家族は、感じた喜怒哀楽を安心して家族のメンバーに言える。
喜怒哀楽とは怒ること、不安を感じること、悲しいこと、喜びである。オナラと同じで我慢してはいけない。

〇実は不登校、ひきこもりの子がいることで家族の安定になっていることに気づいて欲しい。
不登校・ひきこもりさえ解決すればよいと考えるのは、楽だが取り組みとしては間違いだ。
親自身が問題から目をそらしている。
不登校、ひきこもりの当事者をどうしようではなく、家族のメンバーが今の状態を変わりたいと思わなければ問題は解決しない。
課題は自分自身の精神的不安定、夫とのコミュニケーションが取れていない、あるいは高圧的な夫のことなど。

〇親が避けるべきこと4か条を”ACID(酸っぱいこと)“として挙げてみる。

以下の4つを心がけてみて欲しい。そうすれば3ヶ月から半年で家族は変わってくるだろう。

1.無気力を避ける(Apathy):無気力から抜け出すこと、家族本人が変わりたいと思っていなければ変われない。
2.支配的になることを避ける(Controlling):他者を変えようとしない、自分が変われることを考える。
3.孤立を避ける(Isolation):親の会に参加する、恥だと思わないで外で語る、或いは自宅に客人を招く。
4.他者依存的になることを避ける(Dependence):専門家に頼りすぎないということ。

【オープンカウンセリング】休憩を挟んで質問や様々な事例相談など予定時間を超過しそうなほど熱心に意見交換がありましたが、ここでは先生のコメントで公表できる部分を紹介します。
・喜怒哀楽を共有することについて:適切に怒りを表現すること。
感じている気持ちを素直に(ぷんぷん ど)表現する、口に出すこと。
不安を抑圧すると、怒りになり恐怖になり暴発する。
素直に表現できるようになるには、朝の気分を口に出してみる。
なにか今日は不安だなあーなど練習が必要。
・女性のひきこもりについて:昔は“家事手伝い”などと女性のひきこもりは無いと言われていた。
ここ二十年くらい女性のひきこもりが増えたのは結婚・出産・育児に加え、キャリアアップと社会の要求が上がってきたからだろう。
女子会へ参加してみたらどうか。(これについて、「昨年末福岡でもあすみんでUX女子会が開催され大盛会であった。ネットで検索して」と事務局より補足説明。又、下記『ひきこもりUXフェスVOL.2』が開催されます)
・病気の疑いがある場合は医療につなげること。
病気を通じて人とつながることができる。

【おわりに】今回のお話に目から鱗が落ちたなどの反響が多数ありました。
先生には今後もいろいろなかたちでご支援いただきたいと思います。
(記録K・会報編集担当部)

2月25日(日)に『ひきこもりUXフェスVOL.2』が開催されます。告知とチケット販売は下記を参照ください。
告知ブログ→
http://blog.livedoor.jp/uxkaigi/archives/1069555951.html
チケット販売サイト→ https://uxkaigi.base.shop/
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<2月の講演会案内>
福岡市精神保健福祉センター講演会

「東北震災支援などの経験から学ぶ、ひきこもり者への係わり」
 

  
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<4月の講演会案内>
●NPO法人 丘の上の街 第2回 講演会

「ひきこもりとその就労支援の実際」
 講演会のお問い合わせは
 お問合せ先:080-3991-7778 丘の上の街 花田


  
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<今月の投稿から>

九大病院研修
「家族向けひきこもり教育支援プログラム研修」を受けて         

  研修はひと言で言うと、“ひきこもり当事者本人に家族がどうアプローチし最終的にひきこもり外来やその他専門支援期間へつないで行くか”という内容でした。
なので研修過程で、「家族が変わらないと」などという言葉は一度も出てきません。
しかし、その研修トレーニングを通して見えてきたのは、単に表面的な言葉だけでのアプローチではダメだということです。
具体的には研修で紹介された「こどもが聴いてくれる話し方とこどもが話してくれる聴き方」(きこ書房)をご一読ください。

いままでの自分自身のあり方について考え、はっと気付かされました。  
私はこれまで、「ひきこもり」は当事者本人の問題としか捉えていませんでした。
ひきこもった理由は何か、なぜ一歩も外へ出ないのか、なぜ手洗いを頻繁にするのか、風呂に滅多に入らないのか等々。
私自身のことは棚に上げて子供本人にだけ焦点を当て、そしてそんな子に育てたのはお前の責任だと言って妻を責めていました。(言い訳ですが当時を振り返ると、会社人間に“ゆとり”はありませんでした。世の中がみなそうだったような気がします。男性は会社で稼いで家族を養い、女性は家庭を守り子育てを担う。)  

先日妻と息子に(ただし息子は隣室にいて聞こえていたかどうか定かではありません)これまでの自分を反省し謝罪しました。
いままでは例えて言えば1+1=2でありそれ以外の答えはすべて間違いだと否定していたようなものです。
世の中はこうでなければいけないみたいな、ゆとりが無い、視野が狭い、融通のきかない頑固オヤジでした。
“傾聴”も苦手で、相手が話している途中で口を挟むとよく非難されました。  

このあと、いままで無かったことですが、息子が私の目の前でとても良いリラックスした表情で伸びをしました。
また私たち夫婦の前で笑ってくれました。
皆さんにはどうでもよいようなことでしょうが私にとってはもう何年も見たことがない、小学生以来かもしれない嬉しいことです。
この歳になって人生観が変わるとは考えてもいませんでしたので、このような経験をさせてくれた息子にはむしろ感謝しなくてはいけないのでしょうね。  

多様性と柔軟性、いつも機嫌よく、寛大に  
この言葉を忘れずにこれから少しでも明るい光が見えるよう進んで行きたいと思います。(Y・.K)

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ会報ページをご覧ください。      

福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、楠の会だよりNo.188号をご利用ください。

★ 筑紫野の集い  1月10日(水) (カミーリヤ)  参加者/6名

楠の会だより1月号の1ページにあった朝日新聞の記事と、日経新聞2018年1月5日の“引きこもり進む高齢化”の記事のコピーを持ってこられていましたので見ました。
どちらも長期中高年のひきこもりの記事です。  
近況を話し合いました。
子どもが親でも忘れているような何年も前のことを話し始め、親をせめる事があります。
「親はその時、ああやこうや言うのではなく、“つらかったね”と子どもの辛さをわかってあげることが大事で、子どもは親に謝ってほしいのではない、子どもは自分のなかですっきりするまで何度も言うでしょうが、でも吹っ切れる事がありますよ。むしろ、親はしんどいでしょうが、言えるようになったということが、解決への一歩なんです。」というお話がありました。
また「親が子供に遺せるものとして、お金には限りがあります。
むしろ、貴方はそのままでもお母さん(お父さん)にとって大事なんだということ。 
どんなことでも、出来ることの方を認め、自己肯定感を遺してあげてほしい」ということでした。    

★ 宗像の集い 1月17日(水)(メイトム宗像)参加者/ 女性6人 男性2人

話題提供
・12月30日付け朝日新聞の紹介 / 80:50問題として、本人、親の高齢化問題を大きく取り上げ、東京・京都・九州のひきこもりの高齢化に悩む人々をインタビューし、その実態を報告している。又、それらの人々を支援する人・団体の活動状況も報告している。今後の朝日新聞の問題解決への提言に期待したい。
・2月16日「親が生きているうちにすること」講演会案内
・1月11日運営委員会の討議内容 /「2/16の講演会は高齢者向けの内容である。これから出口を見つけ就労しようとする人へのプログラムも必要ではないか」との意見があり、5月末を目標に、4~5カ所の就労支援機関を招いて、各機関にプレゼンテーションをやっていただく予定。

参加者によるフリートーク                            
・支援機関の知識に乏しいので、どんな支援機関がどのような支援活動を行っているのかを知ることは非常に役に立つ
・宗像にも「いきしあ」という障がい者就労・生活支援センターがある。
・同じく宗像にある「はまゆう」という施設は場合によっては障碍者手帳なしでひきこもり者の就労支援をやってもらえると聞いた。(注:当日は「玄海はまゆう学園」と混同していたが、就労支援をやってもらえるのは「障がい者就労・生活支援センター はまゆう」で、はまゆう学園とおなじ社会福祉法人傘下の支援センターでした。)
・障がい者の等級区分などについて知りたい。
・もう働いたらと、口酸っぱく言っていたら働きだして1カ月になる。
疲れている様子が見えるのでしっかり支えたい。
今思うと、働きなさいと尻を叩いたが、子どもが働かねばと一番切実に考えていたように思える。
いつまでも子どもと考えて先走ってしまう。親こそが自立しなければと反省している。
子どもに任せるようにしたい。また、親亡き後、信頼して子どもを預けられる人が欲しい。
次回予定 2月21日(水)13時30分~                A男