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             →先月記事はこちら

楠の会だよりNo.247号(2023年1月)記事より

   雪       三好達治
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。


新年おめでとうございます。
今年も人様のご縁を活かして見聞を広げ、生きる意味や目標を模索していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
コロナ禍に始まってウクライナの戦争、地球温暖化は、世界の人々の心を委縮させています。
日本では少子高齢化が社会活動にじわじわと影響を及ぼしています。
そんな中、新年を迎えましたが、ともかく命をつないでいることを寿ぐことにしましょう。


病を治そうとするのではない、
  患者の心に寄り添うのだ
    中井 久夫 (100分de名著
        NHKテキスト2022年12月号より)
さて12月のある日ふと目に留まったテレビの画面が、斎藤環先生のお顔とお声でした。
<100分de名著>と言う番組(Eテレ)に斎藤先生が講師としてお話をされているのでした。
名著の対象者は日本を代表する精神科医<中井 久夫>で、斎藤先生が尊敬してやまない恩師であるとのこと。
テキストを購入してざっと目を通しましたが、確かに素人目でも中井久夫と言う方が、名著として取り上げられるに値する大きな人物でいらっしゃることがわかりました。
まだ本物の著書に触れたわけではなく、<100分で名著>のテキストを拾い読みした程度ですが、私たちには示唆に富んだ、ぜひ目を通しておきたい本であると思い、ほんの一部分しか触れることができませんがご紹介します。(中井久夫先生は2022年8月8日ご逝去されました)
この放送は12月5日(月)に始まって12月26日(月)の4回の連続講義でした。
そして1回ごとに斎藤先生の推薦著書が紹介され、その都度著書の中のこれはという文章が紹介されます。
第1回目は〖最終講義〗と言う本。副題に、<「心の生ぶ毛」を守り育てる>、とあり、ここに中井先生が統合失調症研究の第一人者として、当時特異な不治の病のように扱われていた統合失調症を、膨大な文献の裏付けと精緻な臨床眼によってこの誤解を解き、当時(1970年代)の治療手段だけでも十分に回復可能な病であることをはっきり示したと記されています。
第2回目は『分裂病と人類』。副題は<「病」は能力である>、とされています。
この本の中ですべての人が統合失調症的な気質を持ち、誰にでもなりうる病であることを、博学な人文的知識を背景に、論じているということ。
一方で彼の眼は絶えず俯瞰的で、統合失調症をむやみに持ちあげるようなことはしていない。統合失調症の人もそうでない人もあまり変わらない、と言う冷静な視点があり、だからお互いに分かり合えるし、助け合えると言う印
象を読み手に与えるところも、この本の魅力だとしています。
この本で論じられていることは、人類全体の病跡(せき)学のこと。病跡学とは偉人や天才の創造、行動の背景に何らかの病理があったと想定して、病気のポジテイブな面に光を当てる、人類や人類史という広範なものをとらえ、理解した本と言えると環先生は言われます。 (吉村)
まだまだ、文章は続きますが、このHPでは以下を省略させていただきます。ご興味のある方は、楠の会だより247号をご参照ください。)

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福岡「楠の会」講演会
  日時:2023年1月14日(土)13:40~⒗:30
  場所:あすみん (福岡市中央区今泉1-19-22天神クラス4階)
  お問合せ 電話 080-6475-3216
長期化・高齢化するひきこもりに向き合う
●14:00~ 14:50
大住 信子さんと語ろう
(福岡市ひきこもり成年支援センター「よかよかルーム」相談員)
●15:00~ 16:30
富田 伸  先生 講演
  (富田醫院 院長)
「長引く ひきこもりへの対応
  〜家族という視点で考えてみる〜」

参加費 会員 500円  非会員 1000円

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12月8日<親子交流会に参加して>

    池崎 一心(臨床心理士)

皆様、新年おめでとうございます。
臨床心理士をしております、池崎 一心(いけざき かずむね)と申します。
この度、宮崎大学の境泉洋先生のご紹介で、日本臨床心理士会が助成を受けて行なっている活動に福岡県臨床心理士会も加えていただけることとなりました。
その活動というのは、支部会に参加して、ニーズに対応することです。
みなさまに温かく迎え入れていただき、2022年10月からは宗像の集い、11月からは筑紫野の集い、12月8日には「あすみん」での親子交流会に参加させていただきました。

私が初めて親の会に参加して感じたことは、温かい空気が流れていて安心感のある場所だということでした。
親子交流会でも、私が感じた支部会でのこの空気感を参加者全員で共有できたらいいなという想いで、会の冒頭でご紹介いただいた支部会のルールをホワイトボードに書かせていただきました(私が漢字を忘れて困っていた時にもみなさまが助けてくださいました。ありがとうございました)。
それぞれのお立場でのお話を聞くことができて、とても貴重な交流の場に居させていただいたことを深く感謝しております。
2023年も引き続き、福岡県臨床心理士会としてのこの活動を行なって参りたいと考えております。
今後の活動を行っていく上での参考に致しますので、会員のみなさまからご意見をいただけますと幸いです。
下記のURLを読み取っていただくとアンケート画面に移動します。
各支部会においても紙面でのアンケートのご協力をお願いできればと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
https://forms.gle/bZjYCG6caKaW6idZ8

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今月は他にも素晴らしい投稿記事があります。ぜひ「楠の会だより」をご覧ください。
なお、当ホームページに「楠の会だより投稿」のサブページを設置しました。
こちらの方もご利用ください。
投稿の一部を掲載しています。→楠の会だより投稿    

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福岡「楠の会」支部会だより

数ある支部会だよりからいくつかの支部をWEB編集者独断で選んでいます。他の支部会の状況をご覧になりたい方は、「楠の会だより」をご利用ください。

★親子交流懇談会(福岡の集い) 12月8日(木) 13:40~15:30 (あすみん) 参加者 15名( 男性 8 , 女性 7 )

○今回は、当事者の参加による「親子交流懇談会」ということで、はじめは、参加した親の間にも緊張した空気が漂っていたようです。ファシリテーターのIさんが、開口一番「会のお約束」を列記されたのには驚かされましたが、「親の会はいつもここだけの話に留めていますよ」……。それが3人の当事者の心を和ませる要因になったのではないでしょうか。 当事者の自己紹介は、短いスピーチの中に彼らの思いがつまっていました。自らの心情を吐露する言葉が各々独特の表現ながら、聴く側にはっきり伝わってきました。話す事に費やすエネルギーが当事者には負担が大きい事、伝えたいメッセージも、自らの心に響いた事実、そして新たなる試みに日々努力している事。静かな語り口の中にも自己を肯定し、前に進もうとする意志が感じられます。

○親の側のAさんの実体験談話から一つのテーマに沿った話し合いが佳境に入りました。 親が求めている「復帰して欲しい社会」と当事者が「現実的に求めている社会」とは明らかに隔たりがある。親達は自らが経験してきた「社会生活」を我が子に求め、当事者は生活基盤の確保と許容できる生きづらさのバランスをとりながら、進むべき道を模索している。確かに親と子の世代の違い等から、社会観、人生観に「乖離」や「齟齬」があることは厳然たる事実ですが、当事者のリアリティーは親のそれより密度が濃く慎重です。お互いそれを言葉にすることで相手の気持ちを思いやる術も生まれたような気がします。

○又、引きこもりの状況の中で、いつまでも子供扱いされる事への不満も取りざたされました。ひきこもっている現実があたかも自立できていないと親が認識していることも当事者には苦痛の一端です。「自立すべき道を探して苦悩している」当事者も成人すれば立派な大人です。そのひたむきな矜持を少しは分かって欲しい。蓋し正論です。

○参加された方のほとんどが、実体験の悩みや当事者への質問で会話に加わられた事からも、親子の話し合いとして、心のこもった時間を共有出来たように思います。
最後に親のYさんから「それでも、親はわが子の新たなる出発を願わずにはいられないのよ」との思いが発せられました。親の総意が込められたこの言葉によって、有意義な懇談会が成功裏に終わったと感じました。勿論これが新たなる出発でもあるのでしょうが。

○今回の報告は、当事者の心情を勘案して具体的詳細をあえて紹介していません。お読みになられる方にはわかりにくいと思いますが、雰囲気が少しでも伝われば幸いです。最後に当事者のみなさん、本当にお疲れさまでございました。出席者全員感謝しています。(H・K)

★ 福岡東部の集い 12 月18日(日)13:30~16:00 (コミセンわじろ)参加者 10名 (女性 8 , 男性 2 )

冷たい風や雪の舞う中思いのほか10名の方の参加をいただき、久しぶりの方のお顔が揃い安堵しました。東部の会では二人の方の息子さんが10年以上お仕事をされているお話から、ここ福岡に親の会楠の会の発足に至るまでの経過やご苦労をされてこられた貴重なお話を伺うことができました。

〇「この会はやめないよ」と言う方がありました。先月号の発達障がいの記事は、不登校や引きこもりに関する知識や情報をうることができて、身内の事例にも寄り添うことができたからと。症状を病気としてではなく個性として能力を伸ばすことを知っていると、子どもの自尊心を傷つけなくてすむ、そしてなるべく早く対処するほうが支援にもつながりやすいと思うと。

〇 8050問題を抱えた知人のお話がでました。自衛隊経験や就労もある50代の男性ですが、ある時からぷっつりと仕事をしなくなって数年の頃、困っているそのお母様から相談を受けた。そのお母さんは息子の言いなりになりきっておられた。
私はただ話を聞いてあげることしかしていないが、我が家の息子のことも話すうちに、いつの間にかその息子さんが我が家の息子と同じ職場に入って来られて、今は一緒に働いていると言う。ただ病身のお母さんには今もつらく当たってこられるらしいのですが、ほかのことを考えるより、いいなりにすると決めているほうがお母さん自身のストレスが少ないのかもしれないと言う意見。
ただ驚いたのは、隣近所の人たちが事情を知っているのかどうかわからないけれど、何かあるとそのお母さんをお誘いしていると言うことです。まだこんな昭和時代のような助け合いが残っていることに、みんな救われる思いでした。

〇 その流れでもあるのですが、テレビでおかあさんと言う役割につらさを感じている女性のことが話題になりました。彼女は「母親になって後悔している」と言う本を見て、自分の思いを否定することはないんだとわかったという。子どもを持っても「私」という一人の人間として生きる、それを娘からも認めてもらったという母娘の姿が印象的でしたと言うお話。子どものことで悩んでいる私たちにも考えさせられるテーマだと思いました。

〇 若い時に精神病を発症したが、自分は音楽を学んでいたことで生きて来られたという当事者のお話。統合失調症の知人も今音楽教室で楽器演奏をするようになって回復している。何か夢中になれること、特に音楽はいい療法になると思うと言うお話。

こんな感じでみんなで安全確認(?)しました。来年もまたお会いしましょう。(S・Y)


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